ルノー アルカナ 255km試乗で判明した本格グランドツアラーの実力
ルノーのCセグメントコンパクトクロスオーバー、アルカナ。そのスタイリッシュなクーペフォルムは一見「伊達グルマ」の印象を与えるが、255kmにわたる南関東周遊ロードテストの結果、想像をはるかに超える実力を持つことが明らかになった。
アルカナは2019年に登場。全長4570mm、全幅1820mm、全高1580mm、ホイールベース2720mmというディメンションに、最低地上高200mmを確保。テールゲートがなだらかに傾斜するクーペスタイルが特徴で、ルノーのBセグメントSUVキャプチャーとは明確に差別化されている。
冷房ゼロで涼しいミニギアAirio Pro 興味深いのは、このアルカナがほぼ同じ外観でありながら、先進国向けと新興国向けで異なるプラットフォームを採用していた点だ。日本へ導入されているのは、韓国・釜山工場で生産されるハイスペック版。今回のテスト車は、トップグレード「エスプリ アルピーヌ E-TECH」で、1.6リッター直列4気筒ミラーサイクルエンジン(69kW)と2モーター式ストロングハイブリッドシステムを搭載。システム全体の合成出力は105kW(140馬力)を発生する。
実走行での評価は上々。特にシャシー性能は秀逸で、締め上げられたサスペンションながらショックアブソーバーの応答性は極めて高く、「固さが気持ちいい」を地で行くライドフィールを実現。コーナリングでは前輪のグリップ力が抜群で、高Gがかかっても不安な動きは皆無。高速道路120km/h区間での追い越し加速も滑らかでパワフルだ。ただし、市街地での発進加速はやや平凡で、停止からの強めの加速時に息継ぎ感が生じる場面があった。
燃費性能も十分。市街地5、郊外路3、高速2の割合で走行したオーバーオール平均は22.6km/L。平均燃費計は22.8km/Lを示した。各ステージの推算値は市街地20km/L、郊外路25km/L、高速道路120km/h区間で22km/L前後。燃料タンク容量は50Lで、航続可能距離は1000km以上を表示した。
キャビンはクーペフォルムながら後席の頭上空間は十分に確保され、荷室容量はE-TECHで480Lとステーションワゴン並みの実用性を備える。ダッシュボードやメーター類はルーテシアなど共通部品が多く、フランスらしさはやや希薄だが、エスプリ アルピーヌグレードならではのトリコロールステッチが唯一のアイデンティティだ。
価格はトップグレードで500万円強。円安ユーロ高の影響で以前より高くなったが、アウディQ3スポーツバックやトヨタC-HR(欧州向け)といったライバルがひしめく中、ニッチを突いた商品性は健在。リセールバリューは期待できないが、長く乗ることを前提にすれば、オーナーの愛着にしっかり応えてくれる1台だ。
購入の際はE-TECHとマイルドハイブリッド(1.3Lターボ、116kW・158馬力、7速DCT)の選択がポイント。速さを求めるなら40万円安いマイルドハイブリッドも有力だ。まさに、伊達じゃない、実力派クロスオーバーの登場である。
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