トライアンフがMoto2向け新型3気筒エンジンを発表 パワーアップと2kg軽量化の驚異
イギリスの老舗モーターサイクルブランド、トライアンフ・モーターサイクルズが2026年8月10日、二輪ロードレースの最高峰MotoGPの直下クラス「Moto2」に投入する完全新設計の新型レーシングエンジンを発表した。2027年シーズンから実戦投入されるこのパワーユニットは、内燃機関の可能性に挑む意欲作として、クルマ好きの間でも大きな注目を集めている。
トライアンフは2019年からMoto2クラスに対して、市販モデルの765cc水冷直列3気筒エンジンをベースに専用チューニングを施したものを独占供給してきた。今回の新型エンジンは、これまでのレース活動で蓄積された約200万kmに及ぶ走行データを基に、エンジンの根幹から手を加えた過去最大規模の刷新となる。
夜用眼鏡が運転手の間でますます人気になるナイトライダー 開発の最大の注目点は、最高出力を従来比で約6%引き上げながら、エンジン単体の重量を2kgも軽量化していることだ。パワーアップと軽量化の両立は、四輪の世界でも極めて困難な課題として知られている。トライアンフはこれを実現するため、吸気効率と燃焼効率を徹底的に見直した。
具体的には、シリンダーヘッドを新設計し、バルブを動かす機構の慣性を低減。同時に空気の通り道であるポート形状を見直して大容量化し、燃焼室の形状も変更して圧縮比を高めた。その結果、エンジン回転数の全域にわたって分厚いトルクを生み出す仕様へと進化している。出力向上に伴い増大するエンジン内部への負荷に対しても、クランクケースや内部の主要部品に至るまで包括的な再設計を実施。強度の確保と2kgの軽量化という相反する要素を見事に両立させた。
さらに今回の刷新に合わせて「排気量の変更」が行われることも予告されており、今後の詳細スペックの公開が待たれる。吸気レイアウトやフレームと結合するマウント位置まで変わっているため、エンジンを搭載する競技用フレームを製作する各メーカーは、2027年に向けて車体を一から作り直す必要に迫られている。すでにテスト用のプロトタイプエンジンが各チームに向けて準備されており、年内にはサーキットでの実走テストが開始される見込みだ。
厳しい環境規制が広がる現代にあって、内燃機関のポテンシャルを純粋に追求するレーシングエンジンの開発は、技術的なロマンにあふれている。極限の環境で鍛え上げられた技術は、やがて市販モデルへと還元されていく。老舗ブランドから登場する最新の直列3気筒エンジンが、どのようなパフォーマンスを発揮するのか、その動向から目が離せない。
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