スズキ・ワゴンRに今なお残る5速MTの理由 ベテランドライバーに優しいフロアシフト&手引きブレーキ
スズキの軽トールワゴン「ワゴンR」に、今なお5速MTモデルが設定されているのをご存じだろうか。1993年の初代登場以来、一貫してMTをラインナップし続けてきたこのクルマは、現行型となる6代目でもベーシックグレード「ZL」に5速MTを用意。AT車がインパネシフトなのに対し、MT車はフロアシフトを採用し、パーキングブレーキも手引き式を踏襲。インパネシフト部分は小物入れになるなど、昔ながらの操作系をしっかりと残している。
もともとワゴンRは、ボディサイズが限られた軽自動車ながら背を高くし、乗員をアップライトに座らせることで広い室内空間を実現した、軽トールワゴンの元祖とも言える存在。初代が登場した1993年当時は、ATが3速だったこともありMT車の需要は高かったが、時代とともにATからCVTへと高効率なトランスミッションに移行。ターボエンジン搭載グレードは2ペダル車のみとなったものの、ベーシックなモデルには常に5速MTが設定され続けてきた。
デニムに合う。履くだけで「ちょいワル」Tapoon その理由は、スポーツ走行を楽しむためではなく、昔からMT車ばかり乗り継いできたベテランドライバーが違和感なく乗り換えられるようにするため。そうした配慮が、今ではコアなマニアからも支持を集める結果となっている。
現行型の6代目は2017年2月に登場した際、当初MT設定がなく「ついに消滅か」と落胆の声が聞かれたが、約半年後の同年8月にベーシックグレード「FA」に5速MTが追加。その後、一部改良のタイミングで一時的にラインナップから外れることもあったが、遅れて追加されるなど継続的に設定されてきた。2025年12月のラインナップ整理でフロントマスクがカスタムZ顔に集約された後も、ベーシックグレード「ZL」にMT車が残っている。
スズキはワゴンRのほか、ベーシックなコンパクトカーの「スイフト」にもMT車をラインナップし続けているが、今後いつまでこの設定が続くのか気になるところ。MT好きにとっては、まさに貴重な存在と言えるだろう。
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