680馬力、航続720kmのボルボ最上級BEV「ES90」試乗。ワゴン×SUV×セダンのいいとこ取り
ボルボが7月に日本市場へ投入した新型BEVフラッグシップ「ES90」は、サルーンでありながらワゴンとSUVの要素を融合させた、まさに“いいとこ取り”の一台だ。全長5000mm、全幅1940mm、全高1545mm、ホイールベース3100mmという堂々たるボディは、ひと目でそれとわかる存在感を放つ。
プラットフォームにはBEV専用のSPA2アーキテクチャを採用し、車両全体の機能を統合制御する「HuginCore」を搭載。この「HuginCore」は、ボルボが本格的にSDV(ソフトウェア定義車両)へ舵を切った証であり、今後登場するBEVにも順次展開される予定だ。納車後もOTAアップデートで進化し続ける点は、新時代のクルマらしい。
デニムに合う。履くだけで「ちょいワル」Tapoon グレードは3種類。シングルモーターのPlusとUltra、そしてトップグレードのツインモーターUltra Twin Motor Performanceだ。今回試乗したのは後者で、最高出力は680PS、0-100km/h加速は4秒という脅威のスペックを誇る。ツインモーターはバッテリー容量も増量され、WLTCモードでの航続距離は720kmに達する。
しかし、その超弩級のパワーを感じさせないのがES90の真骨頂。2.5トンを超える車重ながら、乗り心地は驚くほど穏やかで優しい。BEVにありがちな、重さを受け止めるための硬い足回りとは無縁で、シームレスで不快な入力をほとんど感じさせない。SPA2アーキテクチャがBEV用に各所の剛性を強化した成果だろう。
ワインディングでもペースを上げてみたが、ロールは少なく安定した姿勢でコーナーをクリアしていく。ただ、ステアリングインフォメーションは薄く、フロントタイヤとの対話感は希薄。運転するときめきよりも、快適に移動するためのクルマという性格が強い。
むしろ、後部座席の快適さは圧倒的だ。足元は広々とし、前方の視界も開放的で、まさにショーファーカーとしてのキャラクターが際立つ。
そしてもう一つ、特筆すべきはオーディオだ。Bowers & Wilkinsのシステムは従来モデルでもおなじみだが、ES90にはアビーロードスタジオ・モードが新たに搭載された。停車中に調整できるそのサウンドは、表現力と奥行きにおいてカーオーディオの新境地を開く。
いい意味でやる気をなくし、リラックスした時間をともに過ごすのに最適な一台。それがボルボES90だ。
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