ホンダe:HEVの真髄に迫る S+Shiftで走り好きも笑顔にする新境地
ホンダの電動化戦略は、2040年に向けてグローバルでの新車販売をすべてBEVとFCEVにするという目標を掲げつつも、現実的な軌道修正を図っている。その移行期を支えるのが、独自の2モーターハイブリッド「e:HEV」だ。このシステムは、単なる環境技術の枠を超え、クルマ好きをも満足させるパワーユニットへと進化を遂げている。
ホンダのハイブリッドの歴史は、1999年の初代インサイトに搭載された「IMA」に始まる。エンジン主体で薄型モーターがアシストするシンプルなパラレル式だったが、トヨタのTHS IIに対抗するには燃費性能やEV走行領域で不利があった。その後、2012年にはマシンのサイズやキャラクターに合わせて3つのシステムを使い分ける「スポーツハイブリッドシリーズ」を発表。小型車用のi-DCD、中型車用のi-MMD、大型車用のSH-AWDという独創的なシステムを投入したが、それぞれに課題もあった。i-DCDは信頼性確保に苦しみ、SH-AWDはコストと重量が課題。i-MMDは環境性能は高いものの、ドライバーの五感に響く爽快さでは物足りなさが残った。
エアコンなしで部屋を涼しくするならこの一台Airio Pro こうした反省を踏まえ、現在のe:HEVは「シンプルな構造と優れた量産性」を武器に、コンパクトからミドルクラスまで幅広く対応する。中でも2リッターエンジンを組み合わせた「スポーツe:HEV」は、過去3つのシステムの良いとこ取りをした存在だ。基本的な構造はi-MMDと同じだが、よりコンパクトで高効率、そしてドライビングファンを追求している。
e:HEVの動作は、ハイブリッド専用エンジンと駆動用・発電用の2つのモーター、パワーコントロールユニット、リチウムイオンバッテリーで構成される。通常はエンジンで発電用モーターを回し、その電力で駆動用モーターがタイヤを回すシリーズ式。バッテリー残量が十分ならEVドライブモード、強い加速が必要ならハイブリッドドライブモードに切り替わる。さらに、高速走行などでエンジンの効率が良いと判断すると、クラッチを介してエンジンの駆動を直接タイヤに伝えるエンジンドライブモードになる。つまり、普段はシリーズ式、必要な時にパラレル式に切り替わるのだ。エンジンドライブ時も、余剰電力は発電してバッテリーに蓄え、不足分はモーターがアシストする緻密な制御が行われているが、その切り替えは音やショックがないため、ドライバーも同乗者も気づかない。
スポーツe:HEVに組み合わされる2リッターNA直噴エンジンは、高い熱効率を広い回転域で実現。これを楽しさのために活用する制御が「ダイレクトアクセル」と「リニアシフトコントロール」だ。さらに、2026年6月発売のシビック e:HEV RS(マイナーチェンジモデル)には「Honda S+Shift」が搭載される。これは、ドライバーの感覚とマッチした加速を実現し、走り好きも笑顔にする新機能だ。
e:HEVは、環境性能と走りの爽快さを両立した、ホンダの電動化における現時点での最適解と言える。
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