マフラー交換の常識が激変!2010年が境、車検対応と今どきの選び方
マフラー交換といえば、チューニングの入門として昔から人気のメニュー。排気音や見た目が変わるだけでなく、エンジンのレスポンスや出力特性にも影響を与えるパーツだ。しかし昨今は騒音規制が厳しくなり、車両の年式や適合するマフラーを正しく見極めることが何より重要になっている。
◆純正とスポーツマフラー、内部構造の違い
寝苦しい夜が、これひとつで快適にAirio Pro 純正マフラーの多くは、排気音を抑えるために内部を複数の部屋に仕切った隔壁構造を採用している。排気ガスを迂回させながら消音する方式で、静粛性は高いが排気抵抗が大きくなりやすい。
対するスポーツマフラーは、パンチング加工したパイプの周りにグラスウールなどの吸音材を配置するストレート構造が主流。排気ガスの流れを妨げにくく、スポーティな音質を演出しやすい。ただし設計次第では音量が大きくなりがちだ。
車検対応のスポーツマフラーは、こうした構造で法規の騒音基準をクリアしている。ただし排気抵抗は低ければ低いほど良いわけではない。パイプ径が太すぎると低回転域のトルクやレスポンスを損なうこともある。エンジンや過給機の特性に合った製品選びが肝心だ。
◆2010年が分岐点、マフラー交換と車検の今
マフラー交換で最も気をつけたいのが法律と車検。かつては「近接排気騒音が99dB以下ならOK」「96dBまでなら大丈夫」といった単純な音量基準が目安になっていた。しかし現在は車両の製作時期やカテゴリーによって適用基準が異なり、音量だけで車検適合を判断できない。
大きな節目となったのが2010年4月1日。この日以降に製作された対象車両では、交換用マフラーに加速走行騒音の防止性能も求められるようになった。性能確認を受けた製品には「性能等確認済表示」が付いており、中古品を買う際もプレートや刻印の有無、対応車種・型式までしっかり確認したい。
さらに2018年11月からは一部車両で、新車時の近接排気騒音値を基準とする相対値規制も導入されている。もはや「○○dB以下なら全車種OK」という考え方は通用しないのだ。
マフラーを購入する際は、車種だけでなく型式、エンジン、駆動方式、トランスミッションまで含めて適合を確認するのが確実だ。
◆2010年3月以前のクルマならワンオフも可能性
2010年3月31日以前に製作されたクルマなら、保安基準を満たしていればワンオフマフラーを使用できる可能性がある。ただし古いクルマなら何でもOKというわけではない。近接排気騒音や排気管の取り付け状態、最低地上高、触媒を含む排出ガス関連の基準をクリアする必要がある。DIYやショップのワンオフ品を付けるなら、製作前からショップと車検・保安基準への適合を相談しておこう。
◆リアマフラーとセンターパイプの組み合わせに注意
交換用マフラーの事前認証制度で注意したいのが、リアマフラーとセンターパイプの組み合わせだ。例えば純正センターパイプと組み合わせる前提で性能確認を受けたリアマフラーに、後から社外センターパイプを付けると認証範囲から外れる可能性がある。逆にリアマフラーとセンターパイプをセットで認証取得している製品なら、その組み合わせで使うのが基本。
実際の音量が基準内でも、認証された仕様と異なれば車検で適合を確認できないケースがある。まずリアマフラーだけ交換し、後でセンターパイプも変えたいと考えているなら、購入前に将来的なシステムアップまで含めてメーカーや販売店に確認しておこう。
◆チタンマフラーなら軽量化、ただし価格は大幅アップ
マフラー交換のメリットのひとつが軽量化。以前は純正マフラーが大型で重かったため、社外品に交換するだけで10kg前後、車種によってはそれ以上軽くなるケースもあった。しかし近年は純正マフラー自体が軽量化されており、ステンレス製アフターマフラーでは重量差が小さい場合もある。
そこで軽さを重視するならチタン製が選択肢。チタンは軽量で耐食性に優れ、純正比で大幅な軽量化が可能だ。ステンレスとは異なる独特の排気音や焼き色の質感も魅力で、ドレスアップ効果も大きい。
ただし最大のデメリットは価格。フルチタンマフラーは数十万円クラスも珍しくなく、車種や構造によっては50万円を超えることも。軽量化による走行性能を取るか、サウンドやデザインを楽しむか。予算と目的を明確にして選びたい。
◆現代のマフラー交換は最高出力よりレスポンス
近年のクルマでは、昔のようにマフラー交換だけで最高出力が数十馬力アップすることは多くない。純正状態でもエンジンや排気系が高いレベルで最適化されているからだ。
それでも効果がなくなったわけではない。注目すべきは最高出力の数字より、アクセル操作に対するレスポンスや吹け上がり。排気抵抗が適正化されればエンジンが素早く反応し、「クルマが軽くなった」「機敏になった」と感じることもある。
特にターボ車では排気系の変更でタービン前後の条件が変わるため、ブーストの立ち上がりやレスポンスの変化を感じやすい。アクセルに対する反応が良くなれば、コーナリング中の荷重移動や車体姿勢もアクセル操作で調整しやすくなる。マフラー交換は単なる「音を大きくするチューニング」ではなく、クルマとの一体感に関わるチューニングなのだ。
ただし音量が大きくなれば高速巡航でこもり音が気になったり、長距離移動で疲れやすくなったりすることもある。吸音材の経年劣化で新品時より音量が増える可能性にも注意したい。
マフラーを選ぶ際は、最高出力や音量だけでなく、低回転トルク、アクセルレスポンス、車内こもり音、重量、価格、そして車検への適合まで含めて比較することが大切だ。自分のクルマで何を変えたいのか。それを明確にすれば、現在でもマフラー交換はサウンド、走り、スタイルをまとめて楽しめる魅力的なチューニングなのである。
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