バイクショップが次々と保険代理店をクビに!ビッグモーター問題の余波が地方を直撃
バイク好きなら誰しも、馴染みのショップで愛車の整備を頼み、ついでに自賠責や任意保険を更新してもらった経験があるだろう。ところが今、そんな当たり前の風景が消えつつある。大手損害保険会社が代理店契約を次々と打ち切り、街のバイクショップや整備工場で保険に加入できなくなる事態が全国各地で広がっているのだ。
背景にあるのは、2023年に発覚したビッグモーター(現ウィーカーズ)と損保による保険不正問題。これを受け金融庁は2025年に監督指針を改正、2026年6月には保険業法も改正され、損保各社は代理店への教育・管理・指導を徹底する義務を負った。しかし、その裏で大手損保は管理コスト削減を狙い、小規模な代理店にノルマや人員確保などの厳しい条件を突きつけ、自主廃業や統合へ追い込む事例が相次いでいる。
夜間運転用メガネが今ドライバーに急増中ナイトライダー ターゲットになっているのは、主に地方のバイク販売店や整備工場だ。自賠責保険のみ、あるいは任意保険も扱うこうした店は、地域の交通インフラを支えてきたが、契約件数が少なく、新規拡大が見込めないとみなされている。全国オートバイ協同組合連合会(AJ)事務局によれば、「保険の売上ノルマや人員確保など、かなり辛辣な条件を突き付けられ、『今年は勘弁してあげるが来年は無理だから今のうちに辞めておけ』と心を折るような言い方をされるケースもある」という。ショップ側が「お客様が困る」と訴えても、損保側は「コンビニやネットで加入できる」と一蹴。サービスの一つを奪われるだけでなく、ビジネスとしても大打撃だ。
実際、日本損害保険協会の統計によれば、2024年度の損保代理店数は14万138店。前年から1万514店も減少し、減少率は7.0%に達した。この10年で最大の落ち込みで、2015年度の20万2148店からは約6万店も減っている。新設代理店数4334店に対し、廃止は1万4848店と、廃業が新規を大きく上回る。
確かに自賠責保険はコンビニやネット(One-jibai)で加入可能だ。しかしAJ事務局は問題点を指摘する。「一般の方は車台番号の場所を知らない。スクーターならステップカバーを外さないと見えない。間違えて入力すれば契約不成立で無保険車になる」。しかもネット契約では保険標章と証明書が郵送で届くまで約1~2週間かかり、その間は運転できない。代理店ならその場で確実に手続きできるが、それが奪われれば、無保険車が増えるリスクは否定できない。
AJはすでに自民党や公明党の議員に改善を要望。7月からは金融庁が大手損保への、国土交通省が代理店への実態調査に乗り出した。しかしAJ事務局は「ビッグモーター問題の時から損保の体質は変わっていない。上層部に現場の不適切な実態が伝わらない構図がそのままだ」と警鐘を鳴らす。
保険はバイクやクルマを安全に走らせるための最低限のセーフティネット。地域密着でユーザーを支えてきた小規模店を、収益効率だけではかり、優越的な立場で切り捨てる動きは、交通社会の安全基盤を揺るがしかねない。一刻も早い改善が求められる。
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