富塚清が描く動力の壮大な歴史、三樹書房から復刊
三樹書房が、富塚清著による『動力の歴史 <増補三訂版>』を発売した。自動車や鉄道、航空機、船舶はもちろん、掃除機や洗濯機といった家庭用機器に至るまで、私たちの生活を支えてきた「動力」の発展を、専門知識がなくても理解できるよう平易な言葉で解説する一冊だ。
著者の富塚清氏は東京大学名誉教授。東京帝国大学航空研究所で航空技術の草創期を支える研究に携わり、2サイクル・エンジン研究の第一人者としても知られる人物。長年にわたる大学での教鞭経験を生かし、専門的知見をベースにしながら、動力技術がどのような歴史をたどって発展してきたのかを分かりやすくまとめている。
寝苦しい夜が、これひとつで快適にAirio Pro 本書の底本は、1980年に岩波書店から刊行された『動力物語』。三樹書房は1998年に初版、2002年に増補新訂版を発行し、工学部の学生や技術者、エンジンに関心を持つ読者に読み継がれてきたが、その後は長らく品切れ状態が続いていた。今回の増補三訂版では、2002年当時の内容と構成を尊重しつつ、海外の博物館などから収集した主要な動力に関する貴重な写真をカラー口絵として追加収録。
動力は、自動車や電車、飛行機、船舶といった乗り物だけのものではない。掃除機や洗濯機など、身近な家庭用機器にも使われ、人々の生活を支えている。富塚氏は、現代の暮らしに欠かせないこれらの動力について、より多くの人が関心を持ち、正しく理解することの重要性を説いていた。
『動力の歴史 <増補三訂版>』は、A5判・上製・248頁+カラー口絵8頁。定価は4180円(本体価格3800円+消費税)。目次は「第1章 動力とは何か」「第2章 動力の由来 ジェームズ・ワット以前」「第3章 動力の由来 ジェームズ・ワットの業績」「第4章 一九世紀 動力の大躍進」「第5章 動力開発の裏街道」「第6章 二〇世紀前半における動力躍進」「第7章 二〇世紀後半の動力概況」、そして資料と索引で構成。
工学を学ぶ学生や技術者だけでなく、エンジンや機械、乗り物の技術史に興味を持つ一般読者にも、動力技術の歩みを知るための格好の入門書と言える。長らく品切れだった名著が、新たな写真を加えて再び手に取れるようになった。クルマ好きなら、エンジンのルーツをこの一冊でじっくりと味わってみてはいかがだろうか。
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