ゴールドやブラックのインナーチューブはなぜカッコいい? 性能もアップする秘密
バイクのフロントフォークといえば、テレスコピック式が主流。その中でもインナーチューブの色といえば、たいていはシルバーのメッキ仕上げだ。ところが、ゴールドやブラックのインナーチューブをまとったマシンを見かけることもある。単なるドレスアップと思いきや、そこには確かな機能性が秘められている。
そもそもインナーチューブのシルバーは、硬質クロムメッキによるもの。路面の凹凸を吸収するため、アウターチューブとインナーチューブは絶えず伸縮を繰り返す。このとき発生する摺動抵抗を抑え、摩耗を防ぐために、頑丈で摩擦の少ない硬質クロムメッキが施されている。これが一般的な仕上げだ。
デニムに合う。履くだけで「ちょいワル」Tapoon では、ゴールドやブラックのインナーチューブはどうなっているのか。実は、下地には通常と同じ硬質クロムメッキが施され、その上にさらにコーティングを重ねている。代表的なものが「チタンコーティング」と「DLCコーティング」だ。
ゴールドのインナーチューブは、多くの場合チタンコーティングが施されている。これはPVD(物理蒸着)の一種であるイオンプレーティングという手法で、真空中でチタンなどをイオン化し、基材に衝突させて皮膜を形成する。この処理により表面の面粗度が向上し、摩擦抵抗が大幅に低減。さらに表面硬度は硬質クロムメッキの2~3倍に高まり、摩耗や飛び石による傷に強くなり、防錆性も向上する。色はゴールドが主流だが、蒸発させる素材の種類によってブルーやパープル、ピンク、ブラックも可能だ。ただし、色によってはチタン以外の素材を使うこともあり、その場合も総称としてチタンコーティングと呼ばれている。
一方、ブラックのインナーチューブはDLCコーティングが施されていることが多い。DLCはDiamond-Like Carbonの略で、ダイヤモンドのように硬い炭素被膜を意味する。製法はチタンコーティングと同様のイオンプレーティングが用いられるケースが多い。DLCコーティングはチタンコーティングを上回る表面硬度を持ち、高潤滑性や摺動性、耐摩耗性に優れる。デメリットは加工コストが高いこと。この技術はフロントフォークだけでなく、スーパースポーツ系エンジンのカムシャフトやフィンガーフォロワー、コンロッドなどにも使われ、フリクションロス低減によるパワー向上やレスポンス向上に貢献している。
つまり、ゴールドやブラックのインナーチューブは、レース技術から生まれた本格的な性能向上パーツなのだ。ルックスもさることながら、走りにこだわるライダーにはたまらないアイテムだろう。サスペンションチューニングに長けたショップやメーカーでは、チタンコーティングやDLCコーティングの加工を受け付けている場合もある。フロントフォークの着脱や分解・組み立て費用がかかるため、手軽なカスタムとは言えないが、スポーツ性を大きく引き上げてくれる。一考の価値は十分にある。
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