9代目アウディA6、ついに5m超え!直4 MHEVの実力とCD値0.23の空力
アウディのミッドサイズセダン『A6』が9代目に進化した。1982年に登場した3代目アウディ100(現A6)は、CD値0.30という当時としては驚異的な空力性能と、クワトロシステムを武器に、メルセデスやBMWと肩を並べるプレミアムブランドへの道を切り開いた。そのDNAは9代目にも確かに受け継がれている。
まず外観。プレスブリーフィングでは「エレガントさ」が強調されていたが、見る角度によっては過去最もアグレッシブで戦闘的な顔つきに見える。空力性能はついにCD値0.23を達成。ボディ下面のほぼ全面を覆うフラット化が貢献しており、まさにレーシングカー顔負けだ。
エアコンなしで部屋を涼しくするならこの一台Airio Pro ボディサイズは全長が先代比50mm延長され、ついに5mの大台に到達。ただし全幅は10mm削減され1875mmとなった。日本の狭い道路事情にはありがたい変更だ。ホイールベースは2927mmで、後席の広さは文句なし。
注目のパワートレインは、時代の流れか直列4気筒2リッターターボのMHEV(マイルドハイブリッド)のみ。V6もV8も姿を消した。エンジンはVW/アウディ共通のEA888 Gen3で、エキゾーストマニホールドをヘッドに一体化した設計。最高出力200kW(272ps)、最大トルク370Nmを発生。トランスミッションは7速Sトロニック、駆動方式はもちろんクワトロ(フルタイム4WD)だ。
価格は車両本体885万円。ライバルのBMW 5シリーズやメルセデスEクラスよりわずかに安い設定だが、試乗車には約312万円分ものオプションが装着されていた。オプションはパッケージ化が進み、一部は連動するため実質「全部載せか全部外し」になりがち。ただしオールホイールステアリングやアダプティブエアサスペンション、スマートパノラマガラスルーフは単体選択が可能なようだ。
実際に走り出すと、そのNVH(騒音・振動・ハーシュネス)のレベルの高さに驚く。エンジンの存在を感じさせないほどの静粛性で、路面からの音もしっかり遮断。MHEVのモーターアシストも滑らかで、ストレスをまったく感じない。高速域では長距離移動の快適さが際立つ。
「オールホイールステアリング」(4輪操舵)は、同相で2度、逆相で5度まで切れる。速度60km/hを境に逆相から同相に切り替わる。中低速ではサイズを感じさせない小回りを発揮し、駐車場での取り回しも楽々。高速では安定感が増す。
先代のV6搭載車が持っていた「絶品のスムーズネス」には一歩譲るが、4気筒MHEVでも日常域では十分すぎるほど滑らか。何より「クルマがストレスを感じさせない」という点で、このA6は完成度が極めて高い。パッケージング、居住性、パワーソース、フットワーク、おすすめ度——すべてにおいて星5つの評価に異論はない。
アウディの伝統と最新技術が融合した9代目A6。直4のみのラインナップに寂しさを感じる向きもあるだろうが、その実力は十分にプレミアムセダンの王座を狙えるものだ。
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