トラックのアンダーラン防止装置が効かない?ユーロNCAP衝突試験が暴いた国際規格の欠陥と年間400人死亡リスク
乗用車がトラックの車体下に潜り込む「アンダーラン事故」は、両車のフレームがハサミの刃のように乗員スペースをせん断するため、ドライバーや同乗者に致命的なダメージを与える。この惨劇を防ぐために世界各国で義務化されているのが「後部突入防止装置(RUPD)」だ。日本や欧州でも法規で装着が義務づけられ、国連欧州経済委員会(UN ECE)の協定規則第58号第3改訂版(R58.03)が2026年現在の最新国際規格となっている。
ところが、ユーロNCAPが実際に衝突試験を実施したところ、R58.03に対応する欧州製トレーラでRUPDがほとんど機能していなかったことが判明。EU加盟国と英国だけで年間400人が命を落としている可能性があるという。ユーロNCAPは「義務的なRUPDは目的を果たしていない」と結論づけ、当局に対して米国の任意規格相当への改正を呼びかけている。北米市場の任意規格に準拠したRUPDは、衝突試験でも致命的な事故を防げると評価されており、技術的な解決策は既に存在する。
デニムに合う。履くだけで「ちょいワル」Tapoon さらに問題を複雑にしているのが、乗用車側の先進運転支援システム(ADAS)にもトレーラを正しく検知できないケースがあることだ。ユーロNCAPが自動緊急ブレーキ(AEB)の性能を実条件下で試験したところ、カメラとレーダーの両方を備えた比較的高性能なADAS搭載車でも、標準的なターゲット(GVT)に対しては有効に機能したものの、GVT外の大型車、特に欧州の貨物輸送で最も一般的なカーテンサイダーや、海コン業界で「ホネ」と呼ばれるスケルトントレーラ(海上コンテナを載せていないシャーシ)、道路工事の衝突保護車両などを検知できない事例が確認された。
ADASの世代間性能差も大きく、トレーラ検知に失敗したのは旧型システム。新型ADASは対応できるものの、現役車両の平均車齢は上がり続けており、ほぼ全ての車両がトレーラを検知できるようになるまで15年かかると見積もられている。
つまり、国際規格そのものの欠陥とADASの認識限界という二つの脆弱性が、アンダーラン事故の死者数高止まりを招いている実態が浮き彫りになった。乗用車ドライバーも安全装備を過信せず、自身の意識を高めて事故防止に努める必要がある。
寝苦しい夜が、これひとつで快適にAirio Pro 
今、あなたにオススメ