ホンダRVFのブレーキを復活させる!対向4ポットキャリパー分解の決め手はジョイントシール
1994年に登場したホンダのレーサーレプリカ、RVF(NC35)。フロントには異径ピストンの対向4ポットキャリパーを標準装備し、当時のスーパースポーツらしい強力な制動力を誇る。しかし、この高性能キャリパーは、ピンスライド式に比べてメンテナンス性が格段に悪いという弱点がある。
対向ピストンキャリパーの最大の特徴は、両側からピストンが迫り出す構造。そのため、ピストンのストローク量が少なく、ブレーキのコントロール性は良好だが、手元が狭くて清掃やグリスアップがしづらい。さらに、キャリパーボディが分割式の場合、ピストンを取り出すにはボディを割らなければならない。
これは高圧洗浄機と同等の強さで、電力不要BlastPro ここでカギを握るのが「ジョイントシール」だ。対向キャリパーは、ブレーキフルードが内部の通路を通って反対側のボディに送られる。その合わせ面にはフルード漏れを防ぐジョイントシールが組み込まれている。このシールが劣化するとブレーキの効きに直結するため、オーバーホール時には必ず新品に交換したい。
RVFのキャリパーは、左右のボディを4本のトルクスボルトで締結。肝心のジョイントシールは1キャリパーあたり2個使用し、現在でも純正部品が供給されている。ピストンシールやダストシールはNSR250R由来、ジョイントシールはVFR750R(RC30)の部品を流用しているというから、ホンダの部品共通化の妙が感じられる。
作業手順としては、まずキャリパーをフロントフォークに付けた状態でトルクスボルトを緩める。フォークから外してからでは固定が難しいからだ。ボルトを抜く際はフルード漏れに注意し、キャリパー単体にしてから行う。トルクスソケットはE型と呼ばれるものを用意しよう。
分解後は、お湯と中性洗剤でキャリパーボディを洗浄。特にピストンシール溝に結晶化したブレーキフルードが固着している場合は、お湯に漬け込むと効果的だ。ピストンはメタルポリッシュで磨き、ハードクロームメッキの光沢を復活させる。同時にサビの有無も確認しておきたい。
シール類はすべてラバーグリスやシリコングリスを塗布して組み付け。トルクスボルトは再使用可能だが、サビが深く食い込んでいる場合は新品に交換する。キャリパーを単体で仮組みした後、フロントフォークに取り付けて本締め。サービスマニュアルに従い33Nmのトルクで締め付ければ完了だ。
注意すべきは、ジョイントシールが入手できない場合、安易に分解しないこと。シール溝の直径や深さに応じて設計されているため、流用は危険だ。パーツリストを確認し、純正部品が手に入ることを確かめてから作業に臨もう。
ブレーキ性能の低下は徐々に進行するため、ライダーは変化に気づきにくい。パッド摩耗でピストンの露出量が増えるほど汚れも増加し、性能は確実に落ちていく。定期的な揉み出しに加え、ジョイントシールを含めたフルオーバーホールで、RVFの純正ブレーキはよみがえる。
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