BMW R1200GSでサーキットを攻める!あえて不利なアドベンチャーで挑む男の流儀
筑波サーキットのパドックで、ひときわ異彩を放つ1台があった。BMW Motorradの大型アドベンチャー「R 1200 GS」。本来、サーキットとは無縁のその巨体が、最新スーパースポーツの群れに混ざってコーナーを駆け抜ける姿は、見る者の目を引かずにはいられない。
ライダーの小倉さんは、20代の頃にスーパーモト(スーパーモタード)のレースで腕を磨いていたが、しばらくレースから離れていた。再び火がついたのは、ホンダ「CRF1100Lアフリカツイン」で「GoodSunday Racers」に参加したことがきっかけ。もっと本格的な勝負の場を求め、筑波ツーリスト・トロフィーへの出場を決意する。
寝苦しい夜が、これひとつで快適にAirio Pro 当初はアフリカツインでの参戦も考えていたという。しかし、転機はツーリング先で訪れた。「R 1200 GS」を手足のように操るライダーと出会い、その姿に憧れた小倉さんは、増車を即決。フロント19インチのR1200GSは、21インチのアフリカツインよりサーキットで安心して走れたことも、後押しした。
モタードスタイルへのこだわりは、ハンドルにも現れている。幅広のオフロードハンドルをそのまま残し、マフラーはスリップオン、ステップはワンオフで製作。さらにタイヤの選択肢を広げるため、同じBMWの「R 1200 S」用ホイールを流用して17インチ化に踏み切った。
だが、ここからが苦闘の始まりだった。ホイール径を小さくしたことでハンドリングが悪化。そこで、かつてのスーパーモト経験を活かし、セットアップを重ねる。「フロントサスを伸ばして10mmほど上げたことで、かなり良くなりました」と小倉さん。それでも二次旋回の弱さが残り、タイヤをダンロップのD212GPに変更して現在のバランスに落ち着いた。17インチ化でバンク角は減少したが、現状では大きな問題にはなっていないという。
しかし、理想への道のりはまだ半ばだ。「本当はフロントのオフセットを変えたい。でも、流用できるパーツがなく、ワンオフするしかない。コストを考えると難しいので、現状のままどこまでできるかトライします」と語る表情に、悲壮感はない。
「いじること自体を楽しんでいます。どこを変えるかを考えて、どのような変化が出るのか、そういうセットアップを繰り返していくこと自体が面白いんです」
現状のベストタイムは1分6秒8。R1200GSとしては立派な数字だが、クラスのライバルは速く、レースでは苦戦が続く。「裏のストレートでの速度差も大きいから大変です。今のタイムではついていくことができません。でも、もう少し頑張れると思います」
あえて不利なアドベンチャーモデルを選び、サーキットに挑む。そこには、スポーツバイクやネイキッドでは味わえない、独自の楽しさと醍醐味があるのだろう。小倉さんの挑戦は、今日も続く。
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