ヤマハ発動機がZ世代に仕掛ける「トキ消費」謎解きイベント、その狙いと体験レポート
ヤマハ発動機が静岡県磐田市の企業ミュージアム「コミュニケーションプラザ」で、7月25日から体験型謎解きイベント「謎とめぐる記憶の旅」をスタートさせた。ターゲットはZ世代。なぜ今、二輪車メーカーが謎解きなのか。その背景には、若年層の消費行動の変化と、ヤマハ発動機のブランディング戦略が深く関わっている。
日本自動車工業会の「2025年度二輪車市場動向調査」によると、二輪車の新車購入者のうち40代以下はわずか21%。残りの79%は50代以上が占める。つまり、二輪車市場は明らかに高齢化が進んでおり、若い世代へのリーチが急務となっている。ヤマハ発動機はこの現状を重く受け止め、Z世代(1990年代半ばから2010年代序盤生まれ)への認知度拡大を重要な課題として掲げているのだ。
これは高圧洗浄機と同等の強さで、電力不要BlastPro そこで注目したのが、近年の若年層消費のトレンドだ。モノの所有を重視する「モノ消費」、体験そのものを価値とする「コト消費」を経て、2010年以降は「その場でしか味わえない体験」を重視する「トキ消費」へとシフトしているという。ヤマハ発動機はこの「トキ消費」に着目。企画を担当したブランド推進部企画推進グループの植木悠治さんは、「謎解きは参加者が自ら考え、行動しながら没入できる性質から、その時、その場所でしか味わえない『トキ消費』に当てはまる」と説明する。
「当社のことを思い出として長期記憶してもらいたい」という思いから、館内を回りながら問題を解く体験型謎解きが企画された。6月に1階をリニューアルオープンしたばかりのコミュニケーションプラザを舞台に、参加者は物語の主人公に投影されながら謎を解き進める。紙の回答用キットとLINEから送られてくる物語やヒントを頼りに、ヤマハ発動機の製品・事業・歴史にまつわる問題に挑戦する仕組みだ。展示品への試乗や解説パネルの読み込みを通じて、頭と体を動かしながら没入感を味わえるのが特徴だ。
実際に7月末に体験した愛知県在住の30歳男性は、「問題と関連している展示物を探すために館内をくまなく歩き、気付いたらのめり込むように謎解きをしていた。問題を解く過程で製品や歴史について学ぶことができ、ヤマハ発動機への理解が深まった」と語る。単なる謎解きイベントではなく、結果的にヤマハ発動機の世界観に触れられる仕掛けが功を奏しているようだ。
植木さんは「Z世代向けのイベントは今後も継続して行っていく予定。ヤマハ発動機を深く知っていただけるコンテンツを発信し、『次はどんなイベントだろう』と楽しみにしてもらえるよう、Z世代の当社の認知度を高めていきたい」と展望を語った。
「謎とめぐる記憶の旅」は10月30日まで開催。参加費は500円(現金のみ)。夏休みの体験にもぴったりなこのイベント、二輪車好きはもちろん、ヤマハ発動機の歴史に興味がある人にもおすすめだ。
「トキ消費」をキーワードに、ヤマハ発動機がZ世代の心をどうつかむのか。今後の展開にも注目だ。
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