発火でEV走行キャンセル…日産自動車大学校の学生フォーミュラチームが下した決断
学生が自らの手でフォーミュラカーを設計・製作し、走行性能を競う「学生フォーミュラ」。内燃機関とEVの2部門で行われ、全国の大学や専門学校、海外チームが集うハイレベルな競技会だ。今年のEV部門では、ある“災難”が参加チームを襲った。
取材班が現地に到着すると、まず「昨日バッテリーからの発火があり、EV走行がキャンセルとなりました」との知らせを受けた。海外チームのマシンが発火した影響で、公式SNSでの事前告知もなく、競技スケジュールは大幅に変更。観客だけでなく、出場チームも混乱の渦に巻き込まれた。
デニムに合う。履くだけで「ちょいワル」Tapoon そんな中、編集部が密着したのは日産京都自動車大学校のチーム「Natck-F」。彼らはEV部門に挑むべく準備を進めてきたが、発火事故により走行種目の選択を迫られる事態に。学生フォーミュラには「アクセラレーション」「スキッドパッド」「オートクロス」という3つの基本走行種目と、耐久性を試す「エンデュランス」の計4競技がある。しかし走行が丸1日キャンセルとなったため、基本3種目かエンデュランスのどちらかを選ばなければならなくなった。
チームリーダーは悔しさをにじませながらこう語った。「先輩の代からエンデュランスの完走を目標にしてきました。メンバーの中には走行準備をしてきた学生もいますが、チームの決定としてはエンデュランスをメインに選択したい。でもそれだとドライバー全員が走れないことになります」。苦楽を共にした仲間に諦めを強いる決断だったが、彼らが選んだのはチームとしての目標達成だった。
学生フォーミュラは自動車メーカーやサプライヤーにとってリクルーティングの場でもある。会場には大規模な出展エリアが設けられ、各社がお菓子やノベルティを差し入れながら学生たちと交流する姿が見られた。しかし観客にとっては「どこで、誰が、何をしているのか」が分かりにくいのも実情。スーパーGTやスーパーフォーミュラのようにタイムスケジュールが明確に提示されず、公式サイトを見ても情報が追いづらい。
波乱続きの大会となったが、学生たちはそれぞれの役割を全うし、一丸となって挑み続けた。トップフォーミュラと変わらぬ真剣な眼差し。今回の苦しい経験も、彼らの成長への糧となるはずだ。
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