インディアン「チーフ・ヴィンテージ」2026年型試乗:ディープフェンダーが復活、軽快さはさらに進化
インディアンモーターサイクルが2026年モデルとして投入した「Chief Vintage(チーフ・ヴィンテージ)」に試乗する機会を得た。排気量1890ccの空冷49度VツインOHV2バルブエンジン「サンダーストローク116」を搭載し、スチール製ダブルクレードルフレームやタッチパネル式TFTディスプレイなど、2021年から展開する現行チーフシリーズの基本設計を共有する。
しかし、このバイクの最大の特徴はルックスにある。前後輪の約半分を覆うスチール製のディープフェンダー、フロントフェンダー上部に鎮座するヘッドドレス、サドルタイプのソロシート、そしてシリンダーヘッドカバーとプッシュロッドチューブを強調した専用カラーリング。これらが織りなすスタイルは、1940年から導入されたディープフェンダーを備えた往年のチーフを、現代の技術で見事に再現している。筆者(中村友彦)も「あ、インディアンだ」と感じたほど、インディアンらしさが凝縮されているのだ。
これは高圧洗浄機と同等の強さで、電力不要BlastPro では、その乗り味はどうか。近年のチーフシリーズは、300kg超の車重でありながら、エンジンの吹け上がりやハンドリングが体感的に軽いのが持ち味だが、チーフ・ヴィンテージはその軽さにさらに磨きをかけている。リアタイヤが他のチーフシリーズの180/65B16に対して、細身の150/80B16を採用しているのが最大の要因だ。加えて、高めのシート高686mm(インディアンの中では高い部類)と、高くて幅広でタレ角が強いハンドル形状が、ライダーに重心を前方に移動させやすくし、きっかけを作りやすい操作感を生んでいる。押し引きも軽く、走行時の運動性に不満は一切ない。
もちろん、倒立式フロントフォークやダブルディスクブレーキを備えるスポーツ・チーフの方が運動性能は上だが、正立フロントフォーク、シングルディスク、リザーブタンク無しのリアショックという足まわりでも、試乗で不満を感じることはなかった。ルックス重視のコスプレモデルかと思いきや、しっかりと走りも作り込まれている。
価格は消費税10%込みで、標準モデルが338万円から。メーカー創設125周年を記念する限定車は388万円だ。標準モデルの価格は、ウインドシールドやサドルバッグ、タンデムシートを備えるスーパー・チーフ・リミテッドやスーパー・チーフ・ダークホースと同じだが、ディープフェンダーの造形美を目の当たりにすれば、価格に異論を挟む気にはならないだろう。1940~1950年代の雰囲気を現代に蘇らせた、まさに「現行レトロ」の決定版だ。
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