日産GT-Rより幅広!イスパノ・スイザの新型2人乗りEVハイパーカー、その全貌
スペインが誇る老舗自動車メーカー、イスパノ・スイザが満を持して投入する電動ハイパーカー「カルメン・サグレラ」。その圧倒的な存在感と最新テクノロジーの詳細が、2026年8月4日に新たに公開された。
まず目を奪われるのは、そのワイドなスタイリングだ。全長4771mm、全幅2382mm、全高1242mmという数値は、まさに異次元。参考までに日産GT-R(全長4710mm、全幅1895mm、全高1370mm)と比較すると、全長こそ近いものの、全幅は実に487mmも広い。低く構えた2人乗りボディは、大きく張り出した前後フェンダーと、ブランドの伝統を感じさせるフロントグリルで、独特の存在感を放つ。
デニムに合う。履くだけで「ちょいワル」Tapoon そして、リアに備わるのが、ブランドエンブレムにも描かれるコウノトリの翼をモチーフにした、斬新な「コウノトリウイング」。アルファベットの「V」を思わせるその形状は、見る者の心を掴んで離さない。インテリアにはブラックとレッドを基調としたアルカンターラやレザー、カーボン素材を随所に採用。スポーティさと高級感が絶妙に融合している。
心臓部は、最高出力205kWを発生するモーターを4基搭載。システム総出力は820kW、実に1115馬力という圧巻のパワーを叩き出し、最大トルクは1160Nmに達する。その驚異的な加速性能は、停止状態から時速100kmまでわずか2.6秒で到達するというから驚きだ。
しかし、このモンスターマシンを操るのは、単なるパワーだけではない。今回詳細が明らかになったのは、イスパノ・スイザが独自に開発した車両制御システム「Hispano Suiza Driver Dynamics(HSDD)」だ。このシステムは、トラクション、車両姿勢、トルク、駆動力配分、ブレーキ、エネルギー回生、ドライブモードなどを統合的に管理。走行状況に応じて車両の反応をリアルタイムで調整する、まさに頭脳である。
具体的には、トラクションを制御する「Grip Enhancement System」、車両の旋回姿勢を整える「Active Yaw Modulation」、そして左右のリアホイールへ個別に負のトルクを加えて安定性を向上させる「Electronic Torque Stabiliser」など、高度な機能が凝縮されている。さらに、エネルギー回生を活用した航続距離延長や、モーターとバッテリーの温度管理機能も備える。
この緻密な制御を実現するため、車両には100個を超えるセンサーが配置され、毎秒2億件を超える命令を処理するソフトウェアが搭載されている。ステアリングの切れ角や操作速度、アクセル開度、各ホイールの回転速度、ブレーキ圧、車体のヨー角、ダンパーのストローク量、さらには前後・左右・上下方向の加速度やバッテリーの状態、外気温、気圧、標高までもが常時監視され、パワーと電子制御の介入量が最適化される。
この緻密な制御の開発には、元F1ドライバーのルイス・ペレス=サラ氏がテストドライバーとして参加。シミュレーションはもちろん、サーキットと公道の双方で徹底的にテストを重ね、電子制御が必要以上に介入せず、ドライバーがクルマ本来の特性を感じ取れる、自然な味付けを目指したという。
イスパノ・スイザは、この考え方を「Invisible Technology(見えない技術)」と表現する。先進技術を前面に押し出すのではなく、ドライバーの操作を陰から支え、車両との一体感や運転する楽しさを高めることに主眼を置いているのだ。
カルメン・サグレラは、2019年に復活したイスパノ・スイザブランドが、2020年発表の「カルメン・ブローニュ」に続いて送り出す、ブランド創立120周年を記念する第3弾モデル。2024年6月に発表され、同年7月には英国の「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」にも登場した。1115馬力という圧倒的なパワーと、それを自然に操るための高度な制御技術、そして大胆なコウノトリウイングと全幅約2.4mのワイドボディ。これら全てが、イスパノ・スイザの新時代を象徴する一台と言えるだろう。
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