24年ぶり復活!ホンダ プレリュードが直面する“贅沢”と“特別感”の壁
ホンダが2025年、24年ぶりに復活させた「プレリュード」。SUVや軽自動車が全盛の時代に、あえてスペシャリティクーペを投入したホンダの意気込みは本物だ。しかし、発売から時間が経ち、その販売動向にはある“壁”が見え始めている。
プレリュードは、ホンダのハイブリッド技術「e:HEV」の象徴として登場。ホンダS+シフトを採用し、ハイブリッドでありながらスポーティで官能的な走りを実現した。実際、発売から1ヶ月で月間計画(300台)の約8倍にあたる約2400台を受注。かつて2代目や3代目に親しんだ50〜60代が一気に動いたと言われている。
これは高圧洗浄機と同等の強さで、電力不要BlastPro しかし、その熱狂も一巡した現在、国内販売は計画値の300台前後に落ち着いている。グローバルでも、アメリカを含め月間目標に届かない状態が続いているという。
なぜ、プレリュードは伸び悩んでいるのか。その理由を考える前に、まずはプレリュードというクルマの本質を振り返ってみたい。
初代(1978〜1982年)は、日本初の電動サンルーフや集中ターゲットメーターを搭載。2代目(1982〜1987年)はリトラクタブルヘッドライトと日本初の4輪ABSを搭載し、デートカーの代名詞となった。3代目(1987〜1991年)は世界初の4輪操舵システム(4WS)で17万5000台を販売。4代目(1991〜1996年)は2.2リッターDOHC VTECで220馬力を誇り、5代目(1996〜2001年)は世界初の左右駆動力配分システム「ATTS」を搭載した。
歴代プレリュードに共通するのは、単なる「カッコいい2ドアクーペ」ではなく、常に新しい驚きと先進技術を詰め込んだ、ホンダの技術的挑戦のアイコンだったことだ。
では、6代目プレリュードはどうか。筆者(山本シンヤ)も何度も試乗し、小気味よいフットワークやS+シフトの官能的なパワートレインを高く評価している。しかし、問題はその“特別感”にある。
車両価格は617万9800円。この価格帯に対して、ネット上では様々な意見が出ているが、筆者は金額そのものではなく、「600万円超のプレミアム・スペシャリティカーとしての特別感やおもてなし装備が足りない」ことが本質だと考えている。
具体的には、インテリアの基本レイアウトや操作系がシビック系と似ており、エクステリアほどの特別感が感じられないこと。シートやステアリングの調整が手動であること。シートヒーターのみでシートベンチレーションが選べないこと。そして、プレリュードの象徴とも言えるサンルーフが未設定であること。
優雅なクーペライフを楽しみたいユーザーに向けたクルマでありながら、「乗るたびに感じる特別感」「所有する優越感」「ラグジュアリーで快適な空間」が少々不足しているのだ。
ホンダには、リソースや収益性の問題を理解しつつも、もう一歩踏み出してほしい。走りが本気であるだけに、インテリアの“シビックの延長線上”感が、クーペとしての魅力を損なっているのは惜しい。
現代において2ドアクーペは、効率主義に反する「無駄なクルマ」かもしれない。しかし、だからこそ、その無駄を“贅沢”に変える情熱と信念が求められる。プレリュードの火を絶やさないために、ホンダにはこれからも絶えず“薪”をくべ続けてほしい。
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