ホンダ インサイトがBEVで復活!204ps・航続535kmのクロスオーバーは550万円
ホンダのハイブリッド代名詞だったインサイトが、全く新しい姿で甦った。2022年に3代目が消えてから4年、4代目はまさかのBEV(電気自動車)として登場。中国専売の「e:NS 2」をベースに、日本市場向けに仕立て直された一台だ。
新型インサイトはクロスオーバー5ドアハッチバック。最低地上高は140mm、全高1570mmとほどよく持ち上げられ、乗り降りのしやすさと前席のヘッドクリアランスは十分。後席はラウンドしたルーフの影響でやや狭いが、握りこぶしひとつ分の余裕はあり、窮屈さは感じさせない。
これは高圧洗浄機と同等の強さで、電力不要BlastPro パワートレインはモーター出力204ps(31.6kgm)、バッテリー容量68.8kWhで航続距離は535km。アクセル操作に対するトルクの出し方が内燃機関車に慣れたドライバーにも違和感がなく、滑らかで力強い加速が味わえる。ホンダらしいチューニングだ。
シャシーは重たいバッテリーを前後アクスル間の低い位置に搭載したことで、ドッシリとした低重心を実現。路面の段差で若干の突き上げを感じるものの、しっとりとした乗り心地でロードノイズも小さい。操安性も低重心のおかげでふらつきはなく、しっかりとしている。
ただし、前後重量配分は57対43とFF寄り。開発リーダーの小池久仁博LPLは「リアモーター駆動のAWDを作りたかった」と本音を漏らす。もう少しリア寄りの配分なら、より軽やかなフットワークが得られるだろう。
内外装は中国市場を意識した豪華な作りで、アロマカートリッジによる6種類の香りを室内で楽しめるなど、贅沢な装備も。しかし、価格は550万円、CEV補助金130万円を差し引いてもなお「あと50万円安ければ」という印象は否めない。しかも限定3000台体制という販売戦略には首をかしげたくなる。
ミッドサイズクロスオーバーは強力ライバルがひしめく激戦区。せっかくの良質なBEVなのだから、量販車種としてしっかり台数を稼げる体制を整えてほしい——。そんなもどかしさを感じさせる一台だ。
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