スウォッチ×メルセデスが生んだEVの先駆け、スマート フォーツーedを振り返る
カジュアルウォッチの雄「スウォッチ」とメルセデスベンツの協業から生まれたマイクロカー、スマート。そのEV版として2012年5月に日本に上陸したのが『フォーツー エレクトリックドライブ』、通称フォーツーedだ。何と言っても、欧州メーカーとして日本で初めて販売されたEVという歴史的な一台である。
実はこのクルマ、いきなり市販されたわけではない。2010年10月から日本国内で実証テストを実施し、一般ユーザーから集めた膨大なデータを検証した上で発売に至ったのだ。その結果、最高速度や加速性能が大幅に改善。先行世代と比較すると、最高出力は30kWから55kWへ、0-60km/h加速は6.5秒から5秒へ、最高速度は100km/hから120km/h超へと、見違えるような進化を遂げている。0-100km/h加速も13秒以下と、街乗りには十分なパフォーマンスだ。
デニムに合う。履くだけで「ちょいワル」Tapoon バッテリーにも注目だ。従来はテスラ製だったが、新型ではダイムラー社とエボニック・インダストリーズ社の合弁企業であるドイチェ・アキュモーティブ社が開発したリチウムイオンバッテリーを搭載。エネルギー密度は17.6kWhで、モーターはダイムラー社とボッシュ社の合弁企業EMモーティブ社が開発した出力55kW、最大トルク130N・mを発生する。
航続距離は140km以上(ヨーロッパ測定値)。充電は200Vで8時間、100Vで16時間と、当時のEVとしては標準的な数値だ。しかし、22kWの車載急速充電器を設定した点が光る。これにより、1時間足らずで0-100%の充電が可能だったのだから、先進的だったと言えるだろう。
基本骨格はガソリン車を踏襲。ボディサイドのアクセント部分には専用色のエレクトリックグリーンが用意され、一目でEVとわかる個性を放つ。バッテリーはキャビン床下に搭載され、モーター、インバーター、ギアボックスなどのパワートレインは後方に配置されたRRレイアウト。前後異サイズタイヤ(前:155/60 R15、後:175/55 R15)を装着し、ボディサイズはガソリン車と同一だ。
現在のEV事情から見れば航続距離や出力は控えめに映るかもしれない。しかし、2012年という時代に、欧州メーカーが日本市場に本気でEVを投入したという事実は、クルマ好きなら記憶に留めておきたい。スマート フォーツーedは、まさにEV普及の夜明けを告げる一台だったのだ。
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