バス運賃、先払いと後払いどっちが正解? いすゞキュービックが教える収受の進化
路線バスに乗るとき、運賃を運転手に支払うのは当たり前の光景だ。しかし、日本でも地域や路線によって「先払い」と「後払い」が存在し、さらに欧州ではまったく異なる方式が採用されている。今回は、バス運賃収受の仕組みを深掘りする。
かつては車掌が乗務する「ツーマン車」が主流だった時代もある。昭和どころか平成に入っても、東京23区内を走る都営バスで、前部ドアを閉め中ドアだけを使って車掌が運賃を集めていた路線があったというから驚きだ。渋谷営業所や目黒営業所が該当し、筆者も当時知っていれば乗りに行きたかったと悔やむ。
エアコンなしで部屋を涼しくするならこの一台Airio Pro 現在ではほぼすべての路線バスがワンマン化され、運転手が運賃収受も担当する。その方式は大きく二つに分かれる。
「前払い方式」は乗車時に運賃箱へ現金を投入するスタイルで、均一運賃の路線に多い。一方「後払い方式」は乗車距離に応じて運賃が変わる変動制の路線で採用され、乗車時に整理券を取り、降車時に表示された運賃を支払う。区間ごとに細かく運賃が分かれる場合、整理券方式は乗車停留所が明確で分かりやすい。
ただし例外もある。例えば東急バスの反01系統(五反田駅~川崎駅間)は、東京都から神奈川県へ越境するため運賃が変わり、前払い制でありながら行き先を告げて運賃を支払う必要がある。停留所名を知らないと戸惑うこと必至だ。
こうした運転手収受方式は確実に運賃を徴収できる反面、乗降客が多いと停車時間が長くなるデメリットがある。両替や小銭の数え直しで流れが滞ることも。ICカードなら解決できるが、残高不足でまた停滞するケースも見られる。
一方、欧州、特にイタリア・ミラノなどの都市では「信用乗車方式」が主流だ。乗客は事前に券売機やアプリで乗車券を購入し、乗車時に乗務員がチケットを確認しないセルフサービス式。ただし不正乗車が発覚すると、普通運賃の30~50倍以上の超高額な罰金が科せられる。日本の場合は不正発覚時に当該区間運賃の2倍相当(合計3倍)を徴収するルールが一般的で、この差は大きい。
英国のバスは日本と同じく運転手が運賃収受を行うが、ロンドンでは最近現金を廃止しICカードのみ対応に変わっている。
それぞれに長所と短所がある運賃収受の方式。均一運賃の前払い、変動制の後払い、そして欧州の信用乗車方式。どれが一番いいかは、路線の特性や利用者の利便性、事業者の効率性によって異なるだろう。いすゞキュービックなどの車両が街を行き交う中、運賃箱ひとつにも長い歴史と工夫が詰まっている。
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