三菱の「アイ・ミーブ スポーツ」は軽サイズの2ドアEV! 3モーター4WDの衝撃
「もし、三菱が軽自動車サイズの2ドアスポーツカーを、電気自動車で作ったら――」。2007年の東京モーターショーで、そんな夢のようなコンセプトが現実のものとして公開されました。その名は「i-MiEV SPORT(アイ・ミーブ スポーツ)」。発表から15年以上が経った今見ても、その斬新なアイデアとスタイリングはまったく色褪せていません。
ベースとなったのは、三菱が実用化を進めていた軽電気自動車「i-MiEV」。これをベースに、スポーティでエキサイティングな走りを追求したスタディモデルです。開発の背景には、BEVが単なる「環境に優しい移動手段」に留まらず、モーター特有の力強いトルクや優れた制御性を活かした「操る楽しさ」を提供できることを証明する狙いがありました。
デニムに合う。履くだけで「ちょいワル」Tapoon ボディサイズは全長3450mm×全幅1600mm×全高1400mm、ホイールベースは2550mm。車幅こそ軽規格を超えているものの、ほぼ軽サイズのコンパクトなボディに収められています。ワンモーションフォルムをさらに進化させたデザインは、流れるような流線形のボディラインが優れた空力性能を予感させ、低く構えたスタンスとボディ四隅に配置された大径ホイールが、スポーツカーらしいダイナミックなプロポーションを形作っています。
インテリアは「ミニマル」かつ未来的なデザインをテーマに構成。メーターやディスプレイ類はデジタル化され、室内には省電力なLED照明が用いられ、クリーンで先進的な雰囲気が演出されていました。
そして、このクルマの最大のトピックがパワートレインです。フロント左右のインホイールモーターとリアモーターを合わせた、3モーター4WDシステムを採用。各モーターの出力とトルクを独立制御することで、コンパクトなボディに見合わぬ力強い走りを目指していました。四輪駆動制御には「E-4WD」や「E-AYC(Electric Active Yaw Control)」などの電動用制御技術が採用され、まさに電動化時代の「走りの三菱」を予感させる仕掛けが満載でした。
さらに、ルーフには太陽光発電パネルを、フロントグリル内には走行風を利用する発電用ファンを備え、走行時や駐車時にも補助電力を得る工夫が盛り込まれていました。自然エネルギーを積極的に活用する、未来のスポーツカーらしい提案も、このクルマの大きな魅力のひとつです。
残念ながらi-MiEV SPORTは市販化には至りませんでしたが、2009年にはオープンルーフを備えた派生コンセプト「i-MiEV SPORT AIR」がジュネーブショーで公開されています。そして、ここで試みられた高精度なモーター制御技術や電動4WDの考え方は、その後のS-AWC技術の進化や、電動4WDを採用する三菱車の開発に通じる要素のひとつとなりました。
三菱が「電動化時代でも走りの三菱は健在である」ことを世に示した、重要なマイルストーン。単なる夢物語ではなく、現在の三菱が推進する電動化と4WD技術の融合という方向性にも通じる、先駆的な一台だったと言えるでしょう。
寝苦しい夜が、これひとつで快適にAirio Pro 
今、あなたにオススメ