日野自動車古河工場、1万本の植樹で「自然共生サイト」認定!ビオトープKOGA誕生秘話
日野自動車の古河工場(茨城県古河市)が、自然と地域との共生を目指した長年の取り組みが実を結び、2026年6月30日付で「自然共生サイト」に認定された。7月29日にはさいたま新都心合同庁舎で認定証が授与されている。
「自然共生サイト」とは、民間企業や自治体、団体などが管理する区域のうち、生物多様性の保全が図られている場所を、環境大臣、農林水産大臣、国土交通大臣が認定する制度。生物多様性の損失を止め、反転させる「ネイチャーポジティブ」の実現を目指すものだ。
冷房ゼロで涼しいミニギアAirio Pro 古河工場は、2012年にKD工場として稼働を開始。2017年には本社・日野工場(東京都日野市)から大型・中型車両の生産を移管され、日野のマザー工場として全面稼働している。その広大な敷地の一角で、同じ2017年から「自然と地域と共生する工場」づくりがスタートした。
「Plant planters planting plants for the planet(工場で働く人々による地球のための植樹)」を合言葉に、従業員らが続けてきた植樹は、2026年8月時点で約1万本に上る。地域に自生する植物・樹種を使った森づくりを、北側緑地を中心に進めてきた。
2021年には、自然と共生する工場を認定する日野独自の「フォレスト認定」取得に向け、緑に加えて「水辺」の環境整備計画が始動。北側緑地に面積105㎡ほどの小さな池をつくり始めた。池の水源は完全に雨水だけでまかなうという徹底ぶり。工場屋根の雨水を容量約8~9トンの貯水タンク4基に蓄え、地下配管を通じて池へ流し込む仕組みを構築。造成から約2ヶ月で満水となった。
こうして構想から約3年をかけ、2024年12月に緑と水が融合するビオトープ空間が完成。この池は「みんなの池」、エリア全体は「ビオトープKOGA」と命名された。
「ビオトープKOGA」は、単なる生物の生息空間ではない。工場南側の調整池は、近くを流れる仁連川とつながり、河川の氾濫を防ぐ防災施設として機能する一方、川を通じて魚などの生き物が出入りし、多様な生態系を形成。ここで採集したヨシノボリやテナガエビ、メダカなどの地域の生き物を、毎年6月の「生物放流式」で、子どもたちと一緒に「みんなの池」に放流している。
過去には外来種のウシガエルやアメリカザリガニが大量に生息する問題が発生したが、子どもたちと協力して水生植物を植えるなど生息環境を改善。外来種の数を大きく減らすことにも成功している。
このほか、3月に近隣の名崎小学校6年生の卒業を記念して、地域にゆかりのある桜「ベニサシマ」の苗木の植樹、7月には専門家を招いた「夜の昆虫観察会」なども開催。地域の子どもたちが自然と触れ合う教育の場へと、その役割を広げている。
日野自動車は、この「自然と地域と共生する工場」の取り組みを、さらに次の段階へと進めていく構えだ。
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