標高1100m超え!富士急バス「A系統」は型破りな県境越え路線だった
静岡県御殿場市と山梨県富士河口湖町。直線距離で約27kmのこの2つの街を結ぶ公共交通機関に、ちょっと変わった路線バスが存在する。その名も富士急バス「A系統」。鉄道での移動となると各線を乗り継ぎ約200kmもの大回りを強いられ、4〜5時間もかかってしまうこの区間を、なんと1時間30分で駆け抜けるのだ。
A系統は高速道路を一切通らない、いわゆる一般路線バス。しかも県境を越えるという、全国的にも数が減っている希少な存在でもある。御殿場駅富士山口の2番乗り場を出発すると、静岡県道401号から国道138号、県道を幾つか経由しながら、一路山梨県を目指す。
エアコンなしで部屋を涼しくするならこの一台Airio Pro このルートの最大の見どころは、なんといっても籠坂峠。御殿場駅の標高が465m、河口湖駅が857mという、すでに高所を走る路線だが、峠の頂上付近では公称値で1,104m、GPS実測値では1,113mにまで達する。まさに本格的な山岳路線と呼ぶにふさわしい。ただし、道はしっかり整備されており、周囲を背の高い木々に囲まれている区間が多いため、車窓からは標高の高さを実感しにくいかもしれない。
A系統には、ルートが微妙に異なる2つの系統が存在する。メインとなるのは「A1系統」で、忍野八海を経由する寄り道タイプ。観光色が強く、明るい時間帯を中心に1時間に1本程度のペースで運行されている。もう一つが「A2系統」で、北富士駐屯地入口を通る直行型。こちらは朝夕合わせて3往復と本数は限られる。
走行距離は公称値36.9km、GPS計測で37.5km。全区間を乗り通した場合の運賃は1,750円だ。観光需要の多いこのエリアにおいて、バスはまさに主力の移動手段。A系統には、その証とも言える“主要”路線の冠が与えられている。電気バスを含む大型路線車が共通運用で投入されるのも、その重要性の表れだろう。
鉄道ではアクセスしづらい富士山麓の二大観光地を、最短ルートで、しかもお手頃な運賃で結ぶA系統。その実態は、ただの路線バスという枠を超えた、まさに型破りな県境越えの公共交通機関なのである。
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