ヤマハLMW全滅へ!傾いて曲がる3輪「トリシティ」「NIKEN」が生産終了
前2輪/後1輪という独特なレイアウトを持ち、車体を傾けて曲がるヤマハの「LMW(Leaning Multi Wheel)」シリーズが、静かに幕を下ろそうとしている。2024年には大型スポーツモデル「NIKEN GT」の受注予約が終了。2026年6月2日には「トリシティ300」の生産終了が発表され、125ccモデルは同年夏、155ccモデルは同年秋に生産を終える予定だ。これにより、すべてのLMW市販車がラインアップから消えることになる。
そもそもLMWは、バイクが持つ「リーンして曲がる楽しさ」と、3輪ならではの「転ばない安心感」を両立するために開発された。ヤマハは1970年代から研究を重ね、原付スクーター「パッソル」をベースにした試作車を製作していたほどだ。そして2014年、市販第1号となる「トリシティ125」を発売。フロント2輪を「パラレログラムリンク」と「片持ちテレスコピックサスペンション」でつなぎ、自然なリーンフィーリングと高い安定性を実現した。
これは高圧洗浄機と同等の強さで、電力不要BlastPro この機構は、左右の車輪を常に平行に保ちながら車体と同調して傾けるため、2輪車に慣れたライダーにも違和感がない。さらに、片側2本ずつの独立したサスペンションが路面の凹凸を吸収し、片方のタイヤが段差に乗ってももう片方が接地を維持。滑りやすい路面でのスリップや、ブレーキ時のロックも起こりにくいという実用的なメリットも備えていた。
2017年には排気量を155ccに拡大した「トリシティ155」が登場。原付2種の扱いやすさを保ちつつ、高速道路走行が可能な軽二輪となり、ツーリングユースにも対応。さらに2020年には、都市型モビリティの完成形として「トリシティ300」が国内販売を開始した。
一方、スポーツライディングを追求したのが「NIKEN」だ。2015年の東京モーターショーに参考出品された「MWT-9」を経て、2017年のミラノショーで市販予定車が発表され、2018年に日本発売。トリシティではフロントフォークを車輪の内側に配置していたが、NIKENでは深いバンク角を得るために外側に配置。さらに、旋回時に内輪と外輪が同心円を描く「LMWアッカーマン・ジオメトリ」を採用し、45度ものリーンを可能にした。この技術は2023年モデルチェンジ版のトリシティ125/155にもフィードバックされている。
NIKENは2023年に排気量を845ccから888ccに拡大し、新設計のハイブリッドフレームを採用した「NIKEN GT」へと進化したが、わずか1年後の2024年に受注予約終了。生産終了の理由は公式に発表されていないが、複雑な構造と部品点数の多さによる高コストが販売台数の伸び悩みにつながったと見られる。
ヤマハは「LMWで培った技術を活かしながら、モビリティの可能性を次世代へ広げて行く」とコメントしており、技術そのものが終わるわけではない。しかし、現時点で新車を手に入れられるのは、まだ在庫を持つ販売店だけだ。もしLMWの乗り味に興味があるなら、早めの行動が賢明と言えるだろう。
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