走り出せば自然と笑顔に!ロイヤルエンフィールドが放つ新感覚ボバー「ゴアンクラシック350」
ロイヤルエンフィールドが2025年に国内導入した「GOAN CLASSIC 350(ゴアンクラシック350)」の2026年モデルに試乗する機会を得た。一言で表すなら、メーカーが本気で作り上げたボバーカスタム。その仕上がりは、乗れば乗るほど笑顔があふれる不思議な魅力に満ちている。
近年のロイヤルエンフィールドの勢いは凄まじく、2024年と2025年は年間生産台数が100万台を突破。伝統を守りつつも、新しいジャンルへの挑戦を続けてきた結果だ。その象徴とも言えるのが、この「ゴアンクラシック350」である。車名の由来はインド西海岸に位置する高級リゾート地、ゴア州。1960~1970年代にはヒッピーの聖地として世界中の若者が集った、自由で開放的なイメージが込められている。
寝苦しい夜が、これひとつで快適にAirio Pro ベースとなったのは、同社の伝統的なスタイルを継承する「クラシック350」。だが、一目見ればその違いは明らかだ。ミニエイプハンガーハンドル、サドルタイプのソロシート、そしてシリーズ中最も低い750mmというシート高が、リラックスしたボバーらしいシルエットを形成する。さらに、ホワイトリボンのタイヤやチューブレスタイヤに対応したワイヤースポークホイール(リアは16インチ)、専用設計のフェンダーやマフラー、タンデムシート&ステーなど、数多くのパーツが新規開発されている。
実は、またがった最初の印象は「変」だった。通常のクラシック350に比べてかなり高い位置にあるハンドルグリップ、そして前方にセットされたステップ。一見すると、違和感しかないライディングポジション。ところが、エンジンを始動し、走り出した瞬間、その印象は一変する。
数分後には、私は満面の笑みでスロットルを開けていた。10代の頃、初めてバイクに乗った時のような、純粋な楽しさが全身に蘇ってくる。この「自由で気まま(Free&Easy)」なフィーリングは、既存のクルーザーやストリートバイクでは決して味わえない。同じエンジンとフレームを共有する「メテオ350」がしっとりと穏やかな味わいなのに対し、ゴアンクラシック350はまったく別物。カスタムバイクにありがちな扱いづらさや振動の多さといったマイナス要素はほとんど感じられない。
もちろん、ハンドリングの素直さや乗り心地の良さで言えば、フォーマットに従った既存の4モデル(クラシック350、ブリット350、メテオ350、ハンター350)に軍配が上がるかもしれない。しかし、このバイクを単体で評価すれば、運動性や快適性に露骨な不満を抱くことはないだろう。それほど完成度は高い。
「伝統の継承」を第一義とするロイヤルエンフィールドが、なぜ今、このような新しいジャンルに挑戦したのか。それは、同社の成長を支える原動力そのものだ。過去に「ヒマラヤ450」や「ショットガン650」を初めて試乗した時も同じように感じたが、この「ゴアンクラシック350」は、同社の挑戦心が結実した好例である。
気になる価格は、単色が80万800円、ツートーンカラーが80万8500円(いずれも消費税10%込)。ベースのクラシック350から約10万円のプラスだが、専用設計パーツの数々と、他に類を見ない乗り味を考えれば、決して高い買い物ではない。むしろ、所有する喜びと、走る楽しさをこれほどバランス良く提供してくれるバイクは、そう多くない。
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