BMWが守り続ける水平対向エンジン、その魅力と宿命を徹底解説
バイクの心臓部にはさまざまな形式があるが、中でも独特の存在感を放つのが「水平対向エンジン」だ。クランクシャフトを中央に置き、左右にシリンダーを水平に配置するこのエンジンは、ピストンがボクサーのように向かい合って動く姿から「ボクサーエンジン」とも呼ばれる。
最大のメリットは、左右のピストンが互いに反対方向へ動くことで慣性力が打ち消され、振動が抑えられる点にある。さらにシリンダーが左右に張り出す構造上、エンジンの重心を低く設定できるため、車体の安定性が向上する。加えて、シリンダーが走行風を直接受けやすいレイアウトは空冷エンジンとの相性が抜群で、長距離ツーリングでも安定した冷却性能を発揮する。
デニムに合う。履くだけで「ちょいワル」Tapoon このエンジンを象徴する存在と言えば、BMW Motorradだ。1923年に初のバイク「R32」を発売して以来、同社は水平対向2気筒エンジンを搭載したモデルを絶やさずに生産し続けている。現在もRシリーズに脈々と受け継がれ、多くのライダーを魅了している。
ただし、水平対向エンジンには独特のクセもある。BMWのボクサーツインはクランクシャフトが車体の前後方向に配置されているため、停車中にアクセルをあおると、クランクシャフトの回転に対する反力で車体が左右にわずかに傾く。これは縦置きクランクを採用するエンジンならではの現象で、同じく縦置きVツインを採用するモトグッツィのモデルでも見られる光景だ。
また、シリンダーが左右へ大きく張り出すため、車幅が広くなり車体設計上の制約が生まれる点も忘れてはならない。狭い路地での取り回しや、すり抜けには注意が必要だ。
水平対向エンジンは2気筒だけでなく、4気筒や6気筒も存在する。代表例がホンダ「ゴールドウイング」に搭載される水平対向6気筒エンジンで、圧倒的な滑らかさと低重心による安定感で、長距離ツーリングの王者として君臨している。
低重心で振動が少なく、空冷との相性が良い――そんな理想的な特性を持ちながら、車幅の広さという宿命も背負う水平対向エンジン。BMW Rシリーズやホンダゴールドウイングに乗るなら、このエンジンの個性をまるごと楽しみたい。
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