マツダ、深川にモータースポーツ文化継承の体験型拠点。ロードスターのDNAが息づく新店舗
マツダが2026年7月30日、東京・深川の関東マツダ深川店を改装し、新たなブランド体験拠点「MAZDA HERITAGE SPACE FUKAGAWA」をグランドオープンする。前日に行われた取材会では、マツダの三浦忠理事、オートエクゼの寺田陽次郎社長、関東マツダの東堂一義社長が登壇し、同店舗のコンセプトや今後の国内販売戦略について具体的な説明が行われた。
この拠点の最大の特徴は、マツダが長年培ってきたモータースポーツ文化を体感できる点だ。深川という地は、1970年代からオートエクゼの寺田陽次郎社長がチューニングやオーナーとの交流を通じて「走る歓び」を伝えてきたゆかりの場所。その精神を現代に受け継ぎ、施設内にはオートエクゼの専門スタッフが常駐し、ドレスアップやチューンナップに関する具体的な相談に対応する。まさに、ロードスターやマツダ車のポテンシャルを引き出したいオーナーにとっては垂涎の環境と言えるだろう。
夜間運転用メガネが今ドライバーに急増中ナイトライダー 体験型設備として導入されたのは、FANATEC社製の機器を使用したドライビングシミュレーター「グランツーリスモ」。実際のサーキットさながらの操作感を味わえるほか、顧客同士の交流を促すコミュニティ拠点としての機能も併せ持つ。毎月第1土曜日には、広島のマツダミュージアムと中継を結び、車両開発の背景を解説するイベントが開催される。さらに、パートナー企業によるポップアップストアの展開も予定されており、単なる販売店では終わらない、何度でも訪れたくなる仕掛けが満載だ。
この店舗リニューアルの背景には、マツダの国内事業構造改革がある。マツダの予測では、2018年度に約50%だった都市圏(北海道、東京、神奈川、千葉、埼玉、静岡、愛知、大阪、兵庫、福岡)の需要割合は、2050年度には60%に達すると推計。この需要変化に対応するため、「都市圏重点エリアでの販売網再編」「新規獲得のためのマーケティング変革」「ブランド浸透によるリテールオペレーション変革」「変革を支える組織・人事・風土改革」の4つを重点施策に掲げている。
既存店舗においても、関西マツダ守口店がカスタムショップ、東海マツダ大慶橋店がロードスター専門展示、同社緑店がアウトドア専門展示と、それぞれ特化した役割を持たせる戦略を進行中。深川店はその最先端を行く存在だ。運営を担う関東マツダは東京、埼玉、神奈川、群馬の1都3県に98店舗を展開(2026年4月現在)、2026年3月期の新車売上台数は2万6391台、年商は1090億円を記録している。7月1日付で就任した東堂社長は、都市圏を最重要市場と位置づけ、新店舗を通じて顧客体験の変革を強力に推進する方針だ。
「遠くても行きたくなる店舗づくり」をテーマに掲げるマツダ。新車販売の利益を補完するバリューチェーン(中古車、用品、整備・点検、保険・鈑金)戦略の強化と合わせ、MAZDA HERITAGE SPACE FUKAGAWAは、単なるディーラーを超えた、マツダファンにとっての新たな聖地となる可能性を秘めている。
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