ハンドリングを左右するステムベアリング交換、専用ハンマーで失敗を防げ
ブレーキやサスペンションをいじる時、つい見落としがちなのがステアリングステムベアリングだ。しかし、この部品はハンドリングに直結する超重要パーツ。ハンドルを左右に切った時の引っ掛かりや段付き摩耗があれば、迷わず交換したい。
ところが、このステムベアリング交換、実はかなり難易度が高い。特に新品ベアリングをステムシャフトに圧入する作業は、ベテランメカでも気を遣う。そんな時に頼りになるのが、アストロプロダクツから発売されている「ベアリングレースハンマー」だ。
夜間運転用メガネが今ドライバーに急増中ナイトライダー この工具のキモは「長い中空シャフト」。全長370mmのシャフトは、長さ200mm近くにもなるステムシャフトにすっぽりと挿入できる。そして、シャフトの先端にはテーパー形状のキャップが付いており、ここをハンマーで叩くと、打撃力がアタッチメントの全周に均等に伝わる仕組み。つまり、レースが傾くリスクを大幅に減らせるのだ。
アタッチメントは3種類付属。黒がφ32mm、金がφ35mm、赤がφ44mmで、圧入するインナーレースのサイズに合わせて使い分ける。アルミ製のアタッチメントはレース面に接触しないよう設計されているため、傷つけの心配も無用。
そもそも、ステムベアリングはフレームのヘッドパイプとステムシャフトの間に組み込まれており、転倒や路面からの衝撃でダメージを受けやすい。アウターレースに打痕があれば、インナーレースもセットで交換が必須だ。テーパーローラーベアリングの場合、インナーレースにはテーパーローラーと保持器が付いているためレース面が見えづらいが、アウターレースに線状の打痕があるなら、インナーレースも確実に傷んでいる。無交換で再使用するのは絶対に避けたい。
また、古いインナーレースをステムシャフトから取り外す際は、タガネを使うのが定番。ただし、一カ所ばかりを叩き続けるとレースが傾き、ステムシャフトに食い込んでしまう。外縁に沿ってタガネを移動しながら、少しずつずらして抜く必要がある。ダストシールも破損しやすいので、ベアリングと一緒に入手しておくと安心だ。
新品レースの圧入で最も注意すべきは、「レースを傾けない」「レース面を傷つけない」の2点。傾いたまま圧入すると、シャフト表面が削られ、はめ合いが弱くなる。さらに、削れた破片がレース下面とアンダーブラケットの間に挟まり、レースが浮いた状態で止まってしまうこともある。これでは交換した意味がない。
ベアリングレースハンマーは、ドライバーやレンチのような汎用性はない。ステムベアリング交換は頻繁に行う作業ではないため、購入を躊躇する気持ちも分かる。しかし、ハンドルの手応えに違和感を覚え、自分で何とかしたいと思ったなら、この専用工具は心強い味方になる。サンデーメカニックこそ、失敗のリスクを減らすために、専用工具の導入を検討してみてほしい。
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