なぜスズキは軽じゃないジムニーを出したのか? 伝説の「ジムニー1000」を振り返る
軽自動車の枠を超えたジムニー――。今でこそ「ジムニーシエラ」が存在するが、その元祖とも言えるモデルが1982年に登場した「ジムニー1000(SJ40型)」だ。
もともと海外市場向けに開発されたこのモデルは、国内からの熱い要望に応える形で日本上陸を果たした。ベースは1981年にフルモデルチェンジしたばかりの2代目ジムニー(SJ30型)。そこに、970ccの4サイクル4気筒・水冷SOHCエンジン(F10A型)を搭載。最高出力52ps、最大トルク8.2kg-mを絞り出す。軽規格のジムニー8(SJ20型)からの代替需要も見込んだ一台だ。
寝苦しい夜が、これひとつで快適にAirio Pro トランスミッションはフルシンクロの4速マニュアル。2段切り替え式のトランスファーを組み合わせ、悪路走破性は折り紙付き。タイヤは195SR15という幅広ラジアルを装着し、トレッドは軽ジムニー比で前後とも20mm拡大。ボディにオーバーフェンダーを装着した結果、全幅は軽より70mmワイドな1465mmに達した(ピックアップは1425mm)。
バンパーも強烈だ。カタログには「前部は大型110mm厚、後部も大型70mm厚バンパーを採用」と記され、そのぶん全長も拡大。見た目も存在感も、軽ジムニーとは一線を画す。
バリエーションは全4タイプ。幌仕様のオープンにはハーフメタルドア(FK)とフルメタルドア(FM)を用意。さらにバンタイプ(VC)と、ホイールベースを345mm延ばした希少なピックアップもラインナップ。このピックアップはキャリイトラックの荷台を切り詰めて架装したという、いわくつきの一台だ。
カタログ写真を眺めていると、40年以上前のモデルとは思えないほど、そのデザインには色褪せない魅力が宿っている。今のジムニーシエラにも通じる、軽の枠に収まらない自由な発想。ジムニーという車種の懐の深さを、あらためて感じさせてくれる。
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