クロスオーバー設定の核心は「位相」にあり!ツイーターとミッドウーファーを一体化させる極意
カーオーディオで良い音を追い求めるなら、避けて通れないのが「クロスオーバー」の設定だ。マルチウェイスピーカーに再生範囲を振り分けるこの機能は、帯域バランスを整え、各スピーカーの性能を最大限引き出すために欠かせない。しかし、もう一つ絶対に押さえるべきポイントがある。それが「位相を合わせること」だ。
位相とは、音波のタイミングのこと。静かな水面に石を投げ込んだときに広がる波紋のように、音は空気中を上下動しながら伝わる。この上下動のタイミングが位相であり、複数のスピーカーから同じ音が聴こえてくる場合、このタイミングがずれていると、音が一体化せず、ぼやけたサウンドになってしまう。
エアコンなしで部屋を涼しくするならこの一台Airio Pro 例えば2ウェイシステムでは、高音をツイーター、中低音をミッドウーファーが担当する。クロスオーバーで再生範囲を割り振っても、境目付近の音は両方のスピーカーから聴こえてくる。なぜなら、再生範囲は完全に二分されるわけではなく、ツイーターでも境目より低い帯域の音が、音量を落としながらも出力されるからだ。この重複領域で位相が合っていないと、ツイーターとミッドウーファーの音が別々に聞こえ、クオリティの高いサウンドを楽しめない。
位相を合わせるには「位相切替スイッチ」を使う。正転と逆転を切り替え、どちらかで位相が合えば理想的だが、現実はそう簡単ではない。音波のタイミングのズレが中途半端なケースが多く、スイッチだけでは解決できない。そんなときは「スロープ」を一段階動かすと、位相が90度変化する。これを利用してタイミングの一致を図るのが定石だ。
ただし、最新の外付けDSPには、スロープを変えずにバリアブルで音波のタイミングを調整できる機種もある。そうした機材を使えば、よりシビアな位相合わせが可能になり、ツイーターとミッドウーファーを完璧に一体化させることができる。
クロスオーバー設定は、単に周波数を切り分ける作業ではない。帯域バランス、スピーカーのポテンシャル、そして位相。この三要素をトータルで詰めて初めて、目の前のスピーカーシステムが真価を発揮する。次回からは新章に突入。さらなる音質向上テクニックをお届けする予定だ。
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