カローラ、ビートル、N-BOX…歴代“爆売れ”記録を塗り替えた5台の真実
「あれ、さっきも同じクルマ見なかった?」――そんな経験、一度や二度ではないはず。路上でよく見かけるクルマ、すなわち爆発的に売れたモデルは、時代を映す鏡であり、メーカーの命運すら変えてきた。今回は、累計販売台数で記録を塗り替えた“爆売れグルマ”5台をピックアップ。それぞれの成功要因をひも解いていく。
まず外せないのがトヨタ カローラ。1966年、高度経済成長まっただ中の日本に登場した初代カローラは、「80点主義+α」という開発コンセプトで世に出た。実用性はもちろん、遊び心も満たすバランスの良さが、豊かになり始めた一般サラリーマンの心を射抜く。初代はいきなり累計生産100万台を達成し、その後も輸出とモデルチェンジを重ねて快進撃は続く。1997年には、それまで世界累計販売台数トップだったフォルクスワーゲン ビートルを抜き去り、2021年7月にはついに世界累計5000万台を達成。現行型は通算12代目。バリエーションも拡大し、いまなお世界的大衆車の座に君臨する。手の届く価格でありながら、チープさを感じさせない上質感と高性能――初代のDNAは決して色あせていない。
夜用眼鏡が運転手の間でますます人気になるナイトライダー 一方、カローラと真正面からぶつかったのが日産 サニーだ。同じ1966年に発売され、当初はサニーの1000ccエンジンに対し、カローラが1100ccで「プラス100ccの余裕」と挑発。以後、1990年代初頭のバブル期まで続く「CS(カローラ・サニー)戦争」と呼ばれる熾烈な販売合戦を繰り広げた。サニーは実用性と適度な高級感、リーズナブルな価格を武器に好調を記録。1977年11月には国内登録累計300万台、1982年2月には累計生産700万台を達成するが、日産本体の失速に伴い2004年に国内販売を終了、後身のティーダにバトンを渡した。
カローラに抜かれるまで世界累計販売台数の頂点に立っていたのが、フォルクスワーゲン タイプ1、通称ビートルだ。1938年に量産試作車が完成し、1945年から本格製造が始まったこのクルマの目的は、「ドイツ国民全員が買える安価で丈夫なクルマ」。開発責任者は、後にポルシェを創業するフェルディナント・ポルシェ博士。実用性、耐久性、そして安さが評判を呼び、ドイツ国内だけでなく瞬く間に世界的ヒットに。メーカー名「フォルクスワーゲン」自体が「国民車」を意味する通り、その目論見を完璧に実現してみせた。基本設計を変えずに2003年まで65年にわたって生産され、累計約2153万台を記録。これはカローラ以上に“ロングセラーの鑑”と言えるだろう。
(※以降の軽自動車ヒットモデルに関する記述は素材に含まれていないため、本稿では割愛する)
どのクルマも、時代のニーズを読み取り、ライバルとの切磋琢磨の中で進化を遂げてきた。路上にあふれる一台一台には、そんな熱いドラマが詰まっているのだ。
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