素うどんが一番うまい! ベースグレードで十分な4台 キックス・ジムニー・ロードスター・フィット
上位グレードになると、さまざまな便利装備や豪華な内装が追加されるのはよくある話。しかし、中には「ベースグレードでも走りや使い勝手は十分」というクルマが存在する。いわば“素うどん”のようなシンプルさが、逆に愛おしい。ここでは、現行モデルの中でも特にベースグレードが光る4台をピックアップした。
まずは、2026年6月にフルモデルチェンジを果たした日産・キックス。第3世代e-POWERの大幅な燃費向上や、4WD車に搭載された電動駆動4輪制御技術「e-4ORCE」により、日常からレジャーまで幅広いシーンに対応するコンパクトSUVへと進化した。そんなキックスで注目したいのが、最廉価グレードの「シンプルパッケージ」。2WD車が299万9700円、4WD車が334万9500円と、300万円を切る価格設定が魅力だ。上位グレードとの違いは、インフォテインメントシステムや統合型インターフェースディスプレイが非搭載(オプション設定もなし)という点。また、リモコンオートバックドアやバックビューモニター、インテリジェントアラウンドモニターといった便利機能も省かれている。しかし、プロパイロット、17インチアルミホイール、テーラーフィット巻ステアリング、TYPE-C USB電源ポートは標準装備。最上位グレードGとの差額は89万8700円。この差をどう見るかは、あなた次第だ。
夜用眼鏡が運転手の間でますます人気になるナイトライダー 続いて、スズキ・ジムニーの「XG」グレード。2018年7月に20年ぶりの全面改良が行われた現行モデルは、発売から8年が経過し、納期も当初の1年以上から3~4カ月に落ち着いている。グレードは最上位XC(216万400円)、中間XL(204万6000円)、廉価XG(191万8400円)の3つ。走破性を楽しむという観点では、XGで十分だ。なぜなら、ねじり剛性を先代比約1.5倍に向上させたラダーフレーム、副変速機付きパートタイム4WD、3リンクリジッドアクスル式サスペンション、そしてブレーキLSDトラクションコントロールは全車標準装備。R06A型ターボエンジンもXCと同じだ。上位グレードとの違いは、ホイールがアルミかスチールか、ドアミラーが電動格納式か手動か、ドアハンドルやドアミラーの色味、リアシートの可倒方式、内装のメッキ加飾の有無など、走行性能に直結しない部分ばかり。ボディカラーはXCが12色、XLが8色に対し、XGは4色と少ないが、選択肢が少ないからこそ悩まずに済むというメリットもある。
マツダ・ロードスターの「S」グレードも、ベースグレードの魅力が際立つ一台。現行モデルでも、軽量なボディと後輪駆動の走りはSグレードで存分に味わえる。上位グレードとの差は、主にエクステリアや内装の装備品。例えば、ホイールデザインやシートの素材、オーディオシステムなどだが、走りの基本性能は全グレード共通。価格差を考えれば、あえてシンプルなSグレードを選び、その分をタイヤやサスペンションのカスタムに充てるという手もある。
ホンダ・フィットのベースグレード「BASIC」も、素うどん的な魅力にあふれている。フィットは全グレードに共通して、低床プラットフォームによる広い室内空間と、優れた燃費性能を実現。ベースグレードは、ホームリンクやナビゲーションなどの便利装備は省かれているが、運転に必要な機能はしっかりと備わっている。価格は最もリーズナブルで、実用車としての本質を求めるなら、このグレードで十分。余計な装備による重量増や故障リスクを避けられるという点でも、理にかなっている。
いずれの車種も、ベースグレードだからといって走りや基本性能が劣るわけではない。むしろ、シンプルな構成だからこそ、クルマ本来の魅力をよりダイレクトに感じられる。上級グレードの華やかさに惑わされず、本当に必要なものを見極めたとき、この“素うどん”が最高の一杯になる。
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