キャデラック・リリック試乗 1100万円の超絶快適BEV、右ハンドルで日本上陸
キャデラック初のBEVとなる『リリック』が日本に上陸した。デザインはセダンとSUVのクロスオーバーで、まるでクラウン・クロスオーバーを彷彿とさせる。なだらかに傾斜したルーフとリアゲートが特徴的だ。
注目すべきは、現行キャデラックで唯一の右ハンドル仕様であること。左ハンドルを好むユーザーもいるようだが、日本の道路事情を考えれば右ハンドルのメリットは絶大だ。
寝苦しい夜が、これひとつで快適にAirio Pro 試乗は品川の広報車貸し出し場所からスタート。まず驚かされるのが車内の静粛性。BEVだから当然といえば当然だが、キャデラックはICE時代から静粛性にこだわってきたブランドだ。90年代のキャデラック所有経験から言っても、その「らしさ」はBEVでさらに強調されている。
乗り心地は適度な硬さがあり、路面のコツコツとした振動は伝わってくる。昔のようなウルトラソフトな乗り味は期待できないが、それは操安性をヨーロッパ志向に振った結果でもある。
走り出して感じるのは、動的なスムーズさの極みだ。リリック・スポーツは前後にモーターを搭載する電動四駆で、リアモーターの出力・トルクがフロントより大きいため、後輪駆動に近い味付け。静止から高速域までの加速は完全なシームレスで、アクセル操作ひとつで自在にコントロールできる。静粛性を保ちながら、だ。
ブレーキも一味違う。BEVならではのワンペダルモードはノーマルと強の2段階。さらにステアリングコラム左側のパドルは、ワンペダルモードオフ時のみ有効なハンドブレーキとして機能する。ストロークはないが微妙なコントロールが可能で、電車を止める感覚に似ている。
走行モードはツーリング、スポーツ、スノー/アイス、マイモードの4種。マイモードではステアリング、ブレーキ、加速感、モーター音を個別に設定可能だ。加速感にはリラックスモードもあり、穏やかな走りを好む人には常時おすすめできる。
気になる価格は1100万円。試乗車はオプション込みで1195万7800円だった。同クラスのライバルと比べればかなりお買い得で、おすすめ度は満点だ。
ただしサイズには注意が必要。全長4995×全幅1985×全高1640mm。全幅1985mmは日本の多くの駐車場では白線内に収まらない。試乗中にも2度、駐車場で苦労した。チョイ乗りには不便を感じるシーンもあるだろう。それでも、このクルマをメインに据えられる環境なら、1100万円で手に入る超一流の快適さは十分に価値がある。
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