ハイエースが高級車に変身?KYB新型アクトライドの衝撃
商用バンの乗り味を根本から変える、とんでもないダンパーが登場した。大手サプライヤーKYB(カヤバ)がアフターマーケット向けに投入した「ActRide(アクトライド)」は、単なる可変ダンパーをはるかに超えたハイテクデバイスだ。
最大の特徴は、専用IMU(慣性計測ユニット)とECUが車両の加速度や角速度をリアルタイムで把握し、最適な減衰力を演算する点。さらに、スマホアプリからブルートゥース経由で制御パターンや好みのセッティングを自在に変更できる。これにより、ドライバーがまるでレースゲームのように足回りをチューニングできるのだ。
寝苦しい夜が、これひとつで快適にAirio Pro 第一弾として選ばれたのは200系ハイエースのディーゼル4WD。空荷と満載で荷重が大きく変わる商用車は、可変ダンパーにとって腕の見せどころ。また、ハイエースは「クルマいじり文化」の申し子とも言える人気車種で、この手のアイテムへの需要は確実にあるという読みも見事にハマった。
クローズドエリアでの試乗では、まずフルハードとフルソフトの固定設定を体験。フルハードでも単に硬いだけでなく、当たりに丸みを持たせた上質な減衰感が印象的。一方、フルソフトでは段差の突き上げが大幅に軽減される。ノーマルのハイエースで空荷時のバタつきに悩んでいる人なら、これだけで価値を感じるはずだ。KYBのOEMで培ったダンパー基本性能の高さが光る。
一般公道では、用意された3種類のデフォルト設定を中心に試す。KYBのエンジニアいわく、商用ワンボックス特有の突き上げ、腰高感、横風によるふらつきをどうカバーするかが開発テーマ。どの設定もベース減衰力がノーマルよりソフトで、基本は柔らかく、アクティブ制御でバネ上を安定させるコンセプトだ。
乗り心地を決めるパラメータは「ライド」。スカイフック理論でバネ上を安定させ、直進時の微小な揺らぎも抑える。操安性に効くのは「ハンドリング」で、ロールやピッチの過渡域で踏ん張りを強め、ステアリング追従性とブレーキ安定性を向上させる。
今回の試乗では助手席のエンジニアがスマホ操作を代行したが、将来的には音声コマンド対応も視野に入っているという。スマホとダンパーが出会ったことで、クルマの新しい楽しみ方が広がった。ハイエースが高級車のような乗り心地になる日も、そう遠くはない。
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