日野ポンチョがEVからディーゼルに急遽交換!バス停休止作業の裏側も公開
バス運転士の日常には、一般の乗客には決して見えない舞台裏がある。今回、フジエクスプレスで臨時運転士として乗務する記者が体験したのは、休憩時間中の突然の車両変更と、終業後のバス停休止作業という、めったにない貴重な機会だ。
その日、記者は芝ルートを担当。休憩時間にフジエクスプレスの休憩所で一服していると、有線が鳴った。有線とは無線に対する用語で、電話のことを指す無線業界用語だ。発信者表示は「フジエクスプレス東京営業所運転」。運行管理者からの電話だ。
デニムに合う。履くだけで「ちょいワル」Tapoon 運行時間中の電話は、事故やクレーム、大幅なダイヤ乱れによる行路変更など、ろくな内容ではないことが多い。恐る恐る電話に出ると、向こうは「どうもどうも」と軽い口調。これで事故やクレームではないと確信した。
内容は「電気バスの充電が足りなさそうで、次に受け取る車両を始発地で変更します。到着時刻前にはディーゼル車が行っているはずですから、そちらに乗ってください。EV車はそのまま運行管理者に渡してください」というもの。この日は7月にもかかわらず猛暑日に近い気温で、冷房の使用が多くなったため充電が不足したようだ。
電気バスは夏の冷房よりも冬の暖房の方がバッテリーを食うといわれている。ディーゼル車のヒーターはエンジンの冷却水を熱源とするため、バッテリーを使うのはファンくらいだ。しかし電気バスにはエンジンがなく、電気暖房しかない。電気コンロや電気ストーブ同様、電気暖房はとにかく電気を食う。冬は要注意と知っていたが、冷房で早々にピンチになるとは予想外だった。
車両変更の件は了解し、ホッとしていると、管理者から「今日の乗務終了後に何か予定ありますか?」と来た。さらに「急きょ予定していた人員が足らなくなりましたので手伝っていただきたいのですが」と続く。てっきり運転士不足でダイヤが回らなくなったかと戦々恐々としたが、頼まれたのは「バス停を休止するのを手伝ってほしい」というものだった。
休止バス停とは、何らかの事情で停留所の供用を休止にすることで、以降はバスが停車しなくなる。バス停が休止になることはそんなにあることではなく、記者は面白そうと考え快諾した。
乗務を終え、回送で営業所に戻り給油と終業点検、アルコールチェック、到着点呼を終える。1時間後くらいに社用車で休止するバス停に向かうとのことで、それまで休憩しながら続々と入庫するバス群を眺めていた。通常、このような作業は運行管理者が行い、運転士が携わることはまずない。しかし記者は臨時運転士なので、時間が許せばという条件でのお願いだったのだ。
バス事業者の裏側を垣間見た、貴重な一日だった。
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