日産が放った伝説のコンセプト「インフィニティ エマージe」1.2L直3で400馬力超えのMRスポーツ
日産の高級ブランド「インフィニティ」が2012年に世に放ったコンセプトカー「エマージe」。実はただのショーモデルではなく、グッドウッドのヒルクライムをF1ドライバーが駆け抜けた、本物の走るプロトタイプだったことをご存じだろうか。
全長4464mm×全幅1954mm×全高1219mmという低くワイドなプロポーションは、ミッドシップレイアウトならでは。アルミやカーボンをふんだんに使い、車重は約1600kgに抑えられている。ダブルアーチグリルやクレセントカットなど、空力を意識したデザインが随所に光る。
これは高圧洗浄機と同等の強さで、電力不要BlastPro 心臓部は、ロータス製1.2リッター直列3気筒エンジンを発電機として搭載するレンジエクステンダー式EV。2基のモーターで後輪を駆動し、システム最高出力は300kW(約402bhp)、最大トルクは1000Nmに達する。0-60マイル(約96km/h)加速はわずか4.0秒。EVモードでの航続距離は約48kmだが、エンジン併用時には約480kmまで伸びる。
開発を主導したのは英国の日産テクニカルセンター・ヨーロッパ。ロータスが協力し、インフィニティ初のミッドシップスポーツとして2012年のジュネーブモーターショーで初公開された。「持続可能な高性能車」を掲げ、将来のインフィニティの方向性を示す一台だった。
インテリアはドライバー中心のコクピットレイアウト。カーボンファイバーを大胆に見せ、レザーやアルカンターラを組み合わせることで、先進的でありながら上質な空間を演出している。
市販化は実現しなかったが、その美しいスタイリングと高い完成度は今も根強い人気を誇る。後に登場したQ50(スカイライン)やQ60にそのデザインや思想が受け継がれたのも納得だ。「本気で発売してほしかった」「今からでも販売してほしい」――そんな声が10年以上経った今もSNSやネットで絶えない。日産の歴史に刻まれた、まさに“幻のMRスポーツ”である。
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